クリスマスはみんなで過ごそう ページ14
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「今夜はクリスマスイブ。皆で手分けして、飾り付けしよう」
クリスマスイブの日、予定もなくオレは家に居た。
リン先生は飾りが入った箱を持ってくると、オレ、二ー二ー、アイラの三人に向けてそう言ってきた。
「また夜昼逆転しろって?」
「彼女とやったら楽しいんかなこれ」
アイラとオレがそう言うと、二ー二ーはトナカイの飾り付けを見て「可愛い!」と声を上げた。
クリスマスツリーの飾り付けをオレ達はバックれる訳でもなく、せっせと進めていく。
「悪魔と吸血鬼が張り切って、クリスマスを過ごしていいのか?」
突然、アイラがそんな事を言ってきた。
「そういえば、悪魔学校はクリスマスは休みじゃなかった」
「ここはオーストラリアの地獄でもイギリスの吸血鬼が居る所でもねーから、休みでいいじゃんか」
「おいおいA。そんな呑気な事言ってる場合じゃないぞ」
能天気にそんな事を考えていたが、アイラと二ー二ーは神妙な面持ちを見せていた。
「まさか……この機会に僕達を浄化する気かも?」
「まさか……この機会に俺達を浄化する気かも?」
「んなまさか」
オレがそう言うと、アイラと二ー二ーはくっついてコソコソ話を始める。
「いやまぁ……お前なら別に良いかもな……」
「Aは僕と同じ悪魔でもね……」
「何だよその哀れみの目は。浄化されるのは、オレだって嫌だからな!」
※
飾り付けが終わると、オレ達はリン先生に呼ばれ、リン先生の部屋にあるベットの上に座らされている。
「リン先生……なんの用かも言わずに何するの?」
二ー二ーが恐る恐る、リン先生に問いかけた。
「動画を撮って兄弟にプレゼントを送ろう。盛り上げる為にプレゼントも用意した」
珍しく嬉しそうな雰囲気を醸し出すリン先生は、持っている大きな箱をオレ達に見せた。
中身を見ると、天使の服や輪っかとオレ達とは真反対の存在の物達ばかり入っていた。
「リン先生、酷いじゃないか!邪悪な俺達だって尊厳は守られるべきだ」
これにはオレ達を代表して、アイラが抗議した。
しかし、リン先生が「一ヶ月家賃タダ」と言うとオレ達の目の色が変わる。
「縦で撮る?それとも横で撮る?」
「化粧もしとくか?」
「オレ、この中の誰よりもすっごく楽しみにしてたんだよねー」
二ー二ー、アイラ、オレがそう言い、ダーマオが遠吠えをあげた。
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作者名:阿野 | 作成日時:2022年11月26日 19時