【高杉晋助】監察舐めんなよ。【河上万斉】

三十一話 ページ32

船内は広く複雑な構造だ。

下手に動けばきっと道に迷って牢屋に逆戻りだろう。

私は囚人の気分で長い廊下を駆けて行った。

(…！あった！)

真選組を出る際に、私は山崎さんからある物を預かっていた。

それは鬼兵隊の船内の地図で、山崎さんが命からがら手に入れた物だった。

大分昔の物だったので会っているが不安だったものの、ここは大丈夫のようだ。


地図には早く脱出できる経路が書かれていた。

鬼兵隊では排気口。

ここに入れればもう逃げれたも同然。

のハズだった。

「真選組だァァ！」

「…！！」

(見つかった…！)

排気口に入る前に敵に見つかってしまう。

敵は合計三人。

地面に催涙効果のある煙玉を当てて辺りの視界を潰す。

「うわっ、何だコレ…」

視界を潰した後、私は急いで排気口の中を必死に這った。

出口が見えてきたところで、私は何者かに腕を引かれ、一気に外に飛び出た。

終わり ログインすれば
この作者の新作が読める(完全無料)

←三十話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す