【高杉晋助】監察舐めんなよ。【河上万斉】

十七話 ページ18

「……ん」

目を覚ますと、目の前には薬やら鎖やら飼い犬用の首輪やらが散乱していた。

どうやら泣き疲れて寝てしまったようだ。

やっぱり夢じゃないかと私は落ち込んだ。

そんな闇しか無い状況で、小さな光が灯る。

「体が、動く……」

そう、体が動くのだ。

小さな掌を目の前に運び、握ったり開いたりをニ三回繰り返した。

これで少しの抵抗は出来るだろう。

ただ体力の問題が残っている。

女が男に力で勝てる可能性などほぼ皆無である。

おまけに相手は男二人、絶対に勝てない。

「……はあ……」

よく女の私が真選組に入れたものだ。

細い腕を見つめながら、思い詰める。

すると、

「どうした？そんなに思い詰めたような溜め息をついて」

いつの間にか入ってきていた河上が首をかしげてこちらを見ていた。

誰のせいだ、そう思ったがどうせ嘲笑われて終わりだろうから口は閉じる。

ガチャッ

「！！」

「拙者も楽しませてくれぬか……」

牢屋に入ってきた河上は怪しい笑みを浮かべていた。

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