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十五話 ページ16

「万斉、開けろ」

高杉は万斉にそう命令し、牢屋の中へと入ってきた。

キィイと音をたてながら錆び付いた扉が開く。

高杉は振り返り、万斉にたずねた。

「ついでにテメーも入るか」

万斉は、私を見て暫く考えると、

「拙者はいい」

高杉に視線を移しそう言った。

そして体を反転させ歩き出す。

高杉はそれを聞くと、つまらなそうに眉を潜めた。

「ふん、勝手にしろ」

万斉の足音と共に、高杉の声が響く。

万斉のサングラス越しに見える瞳が、酷く寂しそうに見えたのは気のせいだ。

高杉は万斉が去ったあと、私を見下し、その場に静かにしゃがんだ。

そしてさっきとは比べ物にならないほど優しく頬に手を添える。

「……!?」

高杉は口を歪めた。

「幕府の犬……ねえ」

頬に添えられている手が目元に添えられた。

瞬間視界が真っ暗になり、何も見えなくなる。

高杉が何を言いたいのか、私には分からない。

急に耳元に吐息がかかる。

「高杉……?」

そして吐息は囁きへと変わる。

「……俺の犬にしてやるよ」

ガチャン

突然、首が涼しくなる。

どうやら鎖を外されたようだ。

「鎖じゃあ雰囲気が台無しだからな、」

ガチャ

そしてまた、首に何かをつけられる。

つけられると同時に視界が露になった。

「飼い犬用の首輪だ、良いだろ?」

高杉の手には、赤い紐が握られていた。

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設定タグ:銀魂 , 高杉晋助河上万斉 , またにゃん   
作品ジャンル:アニメ
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スカピイース - 続きを求むでござうもさもさ!!!まじで! (5月13日 3時) (レス) @page32 id: 57544f6bb8 (このIDを非表示/違反報告)
りん - 面白かったです!!!!続き下さい (2022年2月28日 11時) (レス) @page32 id: 5a52c0f3ec (このIDを非表示/違反報告)
ピース(プロフ) - 最期が分かりませんでした。 (2017年12月1日 17時) (レス) id: fa425b4f2d (このIDを非表示/違反報告)
坂本優希 - ヤダ焦らしプレイですか?ノれないですね。人生は何事もノリとリズムですよ!(何 を 言 っ て い る ?) (2017年11月25日 21時) (レス) id: fd426a3898 (このIDを非表示/違反報告)
きき - 終わりッスか!? (2017年8月15日 12時) (レス) id: 0633731848 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:またにゃん | 作者ホームページ:   
作成日時:2014年4月17日 22時

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