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十二話 ページ13

「ん……んん……」

目を覚ますとまず目の前に広がったのは、長い鎖である。

それを目で追うと、鎖は私の腕に行き着いた。

しかも鎖は、腕だけではない。首、足首にも付けられていた。

「な、なんだよコレえっ……」

私は涙ぐんだ声で呟いた。

そして重たい体を起こす。

(もう、最悪だ……)

運が良いことに服は着たままだ。

頭を整理し辺りを見渡してみる。

錆び付いた壁や独特のカビ臭いにおい、張り巡らされた鉄の棒。

どうやらここは牢屋のようだ。

「うわあっ、もう帰りたい!」

いくら真選組でも、こんなに汚いと嫌になる。

私は、届くはずもない我が儘を言った。

「帰す訳ねーだろ?」

すると何処からともなくあの声が響いてきた。

あとは、階段を下りる音。

コツコツと音が響いている。

この感じからして二人程だろう。

「高杉っ……」

「ククッ……」

鉄の向こう側で、高杉の姿が表れた。

錆び付いたドアを開けている時に階段が見えた。

多分ここは何処かの地下。こんなんじゃいくら騒いでも誰もきやしないな。

高杉は面白そうに縛られ動けない私を見つめている。

そして高杉に続くように万斉が出てきた。

「くそっ、ここから出せ!」

私が叫ぶと、万斉が近寄ってきた。

無表情で近づいてくるから、私は少し大人しくなる。

「な、なんだよ……」

万斉は自分の手を鉄の棒の間にいれると、私の顎をくいっと持ち上げた。

「威勢の良い女でござる。行く先が楽しみだ……なあ、晋助?」

私を見ながらたずねる万斉。

高杉は相も変わらず、無言無表情である。

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設定タグ:銀魂 , 高杉晋助河上万斉 , またにゃん   
作品ジャンル:アニメ
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スカピイース - 続きを求むでござうもさもさ!!!まじで! (5月13日 3時) (レス) @page32 id: 57544f6bb8 (このIDを非表示/違反報告)
りん - 面白かったです!!!!続き下さい (2022年2月28日 11時) (レス) @page32 id: 5a52c0f3ec (このIDを非表示/違反報告)
ピース(プロフ) - 最期が分かりませんでした。 (2017年12月1日 17時) (レス) id: fa425b4f2d (このIDを非表示/違反報告)
坂本優希 - ヤダ焦らしプレイですか?ノれないですね。人生は何事もノリとリズムですよ!(何 を 言 っ て い る ?) (2017年11月25日 21時) (レス) id: fd426a3898 (このIDを非表示/違反報告)
きき - 終わりッスか!? (2017年8月15日 12時) (レス) id: 0633731848 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:またにゃん | 作者ホームページ:   
作成日時:2014年4月17日 22時

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