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彼女と結婚して、子供が二人生まれた。だが僕は妻と子供の存在を隠しておいた。下手に城に迎えて母に喰われてはたまらない。
愛しい「僕のもの」達。僕の、平穏。
だが二年ほどして父が死に僕が王となると、妻と子の存在を隠し続けるわけにもいかなくなり、僕は「僕のもの」達を城に呼び寄せた。
心配していた事は起こらなかった。母は何とか持ちこたえた。身内だからか。それとも「僕のもの」だからか。
ともかく母と妻達はうまくやっていた。
ところがある日、僕は戦場に行く事になった。百年も眠っていた妻では心許無い。どんなに愛していても無理なものは無理。僕は、後の事を母に頼んで出かけなければならなかった。
そして僕の留守に。それは起こるべくして起こった。
母が妻と子供達を食べようとしたのだ。
それが露見したのは僕が騎乗した瞬間。母は自ら命を絶った。
他人の獲物への手出しを禁ずる掟が彼女の一族にはあったと言うのを聞いている。
そんなにも、我慢できなかったのですか、母上？
やはり、僕はあなたとは違う。
僕は、大丈夫。
あなたのおぞましい血とあなたの存在から、僕はこうして解き放たれたのだから、もう……！
「父上！」
「あなた！」
愛しい者達が僕に抱きつく。僕は皆を抱きしめる。
ゴ ク リ。
僕の、喉が、鳴る。
愛しい「僕のもの」達の香りが僕を包むから。
「僕のもの」達の、赤い血と、柔らかい白い肌の、優しい香りが包むから……。
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ソフィア(プロフ) - 多かれ少なかれ、人は狂気や何かへの渇望を抱えていると思うので、これは自分の話でもあるのだろうと思いました。こういうのも好きです。 (2016年2月19日 8時) (
レス) id: 150cb2cc61 (このIDを非表示/違反報告)
まゆう - 眠り姫の小説面白かったです! (2016年2月19日 1時) (レス) id: cb6946ca27 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かやたび | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=banri25
作成日時：2016年2月18日 23時
