悪魔は人の心に棲む-その5- ページ6
修道院から出てから街中を歩いていると
其処ら一帯に黒い虫のようなものが充満して飛び交っている
だが周りの人達は気にも止めずまるで見えてない光景にAは困惑した
『何で誰も見えてないの?それとも私だけが見えてるの?』
異質な空間から早く逃げ出すために早歩きでスーパーへと足を進める
そんな途中で1人の少年がAの存在に気がつき近寄ってくるが普通ではない
羊のような角に腰付近から尻尾が見え隠れしており何より黒い虫のようなものに大量にたかられている
「昨日はよくも通報してくれたな」
どうやら昨日の不良グループの一人らしいが
Aは少年の周りの虫や姿が気になってそれどころではなかった
『……それは貴方達が悪いんじゃないですか』
「はぁ?あんな餌だけに群がって増えるだけの
寧ろ感謝して欲しいくらいだ」
『最低ですね…』
「んなこと、どうでもいいんだよ!
お前のせいで色々と台無しなんだよ
ちょっと落とし前つけてもらうぜ」
そう言うと少年はAの手首を掴んで
何処に連れて行こうとするがAも抵抗する
『離してください!』
「良いから着いてこいって言ってんだよぉ!!!」
少年の顔はますます人間離れした顔になっていく
その顔にビックリしたAは全力で引っ張ると油断したらしい少年は思わず手を離す
引っ張った力を抑えきれずにそのまま車道へと倒れこむAに近づくトラックが迫りこんでくる
トラックの運転手らしき男がビックリした様子でAを見て焦った顔になっている間にも着実にぶつかるだろう
『(嫌だ!死にたくない!)』
そう思った瞬間にトラックの目の前に“青い炎”が現れ、それに驚いたトラックの運転手が思わずハンドルを右に切って電信柱にぶつかり
物凄い音が響く
『今のは何?』
「見つけた」
Aは見つけたと言った少年に顔を向けると
獲物を探し当てた獣のような顔で此方を見ている先程とは雰囲気が全般違うのを感じとり、怖くなってその場を走って逃げ出した
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作者名:エイボン | 作成日時:2020年5月1日 22時