悪魔は人の心に棲む-その1- ページ2
ここはとある修道院の懺悔室
時刻はもう夜の時間帯を指してある
そこに向かい合う形で居る2人の男女
一人は老人、もう一人は少女
少女の方は何やら少し青ざめている
老人「さてと迷える子羊よ 罪を告白しなさい」
少女「昨日、お父さんのおかずの唐揚げを一つつまみ食いしました」
老人「違うだろ!っていうか昨日の唐揚げ
俺の分だけ少なかったのはそれが理由か!」
少女「ごめんなさい」
しょぼんとした顔をしながら謝る少女
老人「可愛いから許す」
「いや、駄目でしょ
2人の会話を遮るように割って入ってきたのは少女と同い年くらいの少年が老人に注意する
少女「雪男」
少年「姉さん
今度は何をしたの?」
雪男と呼ばれた少年に姉さんと呼ばれた少女こそこの小説の主人公、奥村Aである
そしてAと向かい合っている老人は2人の義父の藤本獅郎である
『何もしてないよ!いつも通りに放課後に頼まれた教室の掃除をしてそれから先生に頼まれて荷物を運んだりしてそれから…』
雪「はぁ…いつもの頼まれ癖が」
『やめてよ…その呆れ顔、わかってるよ』
そうAはお自分にも周りにも同情されるくらいの超がつくお人好しなのである
獅「それでこんな暗い時間になるまで遅く帰って来たと…」
『いや、それには……』
獅「A、人助けは良いことだがな
限度ってものがあるだろ」
『ごめんなさい』
獅「本当にわかってんだろうな
お前はいつか此処を出て一人で生きていかないと行かないんだぞ
いいか、現実って言うのはなぁ、お前が思うほど甘くないだぞ」
『うん、でもそれでも…』
獅「はぁ…ったく、説教は此処までにしといてやる
ささっと飯食って風呂入って寝ろ」
『はい…』
Aはとぼとぼと台所にある方へと歩いていく
その後を追うように雪男も台所へと向かう
『わかってるよ…自分でもお人好し過ぎるって…』
雪「姉さんの超がつくお人好しは今に始まった話じゃないでしょ
でも昔はもっとやんちゃで猿みたいだったよね」
『やめてよ!昔の話を持ち出すのは!って誰が猿みたいって酷い!』
雪「話は変わるけど姉さん、
『本当に急に変わったね
……何で毎回わかるの』
雪「双子のテレパシーかな?後は顔に出やすいからだよ」
『根本的な理由にはならないと思うけど…
え?そんなに顔に出てる?
実は……』
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作者名:エイボン | 作成日時:2020年5月1日 22時