深く結ばれた絆は知っている

お嬢様とＫＺ ページ17

小「アーヤ……大丈夫？」







――今日――――いよいよ、決行の日。








だけど、昨日は全く寝れなかったからフラフラする……






彩「うん……大丈夫だよ。ありがとう」






若「みんな、準備はいいな？」






若武がみんなに電車の切符を渡しながら言う。






黒「うん、大丈夫だよ」






みんなもうなずく。






そして、電車に乗る。






多少、駅員さんが怪しんでいたけど大丈夫そう。







みんな、窓の外を見ている。







私も窓の外を見つめる。







いよいよ、と言うことを感じる。








学校から帰って、月川さんに何か言おうと思っていたんだけどもうその時にはいなかった。







私に月川さんへ出来ることは、一刻も早く癌が治ることを願うだけだ。







景色が一瞬にして変わった。







「きれい……」







あまりの自然のきれいさに感嘆の声をみんながあげる。








あっという間に終点が来てしまった。







「終点です。お忘れ物にご注意ください」







電車のアナウンスが流れる。







若「今頃、アーヤの家はどうなってるんだろうな？」







上「大騒ぎじゃね。一条グループの社長令嬢が消えてしまったんだから……」







翼「あまり、大惨事にならないといいけど……」








でも、私の家だけじゃないよね。







みんなの家族だって心配しているのに、私のためだけにこんなこと起こしてしまって良かったのかな？








私の思っていることが分かったのか小塚くんが耳元でささやく。







小「アーヤ……僕たちの願いを叶えているだけであってアーヤに責任は全くないからね。思いつめ なくてもいいよ」








胸が熱くなる。







自然と笑みがこぼれた。







みんなも、つられて笑う。







幸せな雰囲気が漂う。







ずっとＫＺと一緒にいさせてください。







彩はひそかに願う。







心の底からの願いだった。

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