ルーク【夏の思い出】4 ページ4
「……すみません」
「どうしたんだい」
「きっと、他にもいろいろ用意してくれてたんですよね。歩けないから、ここに留まってくれてるだけで……」
「……ノン!気にしないで。……学園の外でキミと居られるだけで……わたしはとても楽しいからね。けれど……」
ルーク先輩は腕時計を確認しながら、もう少し、と呟いた。
少し私たちは他愛のない話をして。
やがて、時間だ、と言ったルーク先輩が、手を取って歩いてくれる。
……どこへ連れていかれるのだろう、と思いながらついて行く。
すっかり暗くなってしまっている。
学園の門限は午後10時。
……間に合うのだろうか?
と、思っていると。
「……下見をした時には、この辺りが1番よかったんだ」
「……下見してくれたんですか?」
「……今のは忘れておくれよ」
また帽子を目深に被って、ルーク先輩はぼそぼそと言った。
街外れの丘。そんなに急斜面でもなく、のぼりやすかった。
ルーク先輩は用意してきていたらしいシートを敷いて、わたしに座るように言って。
……その隣に座って、私の腰に手を回す。
「……もうすこし……そう、あと5秒」
「体内にタイマーでも入ってんですか?」
「……アン、ドゥ」
トロワ!
パァン!と、空に花が咲く。
立て続けに、いくつも、いくつも。
「……綺麗」
夢中になって見ていると……は、と視線に気がついて。
ルーク先輩は花火ではなく、じっとこちらを見つめていて。
「……ああ、綺麗だね」
ふふ、と笑って。
……顔が赤くなるのを感じて目を伏せると、その顔を上向かせられて。
……ルーク先輩の顔が、とても近い。
……普段よりずっとラフな格好なのに、とても綺麗な化粧をしていて……。
「……私よりルーク先輩のほうが綺麗ですね」
「……キミはずるいね」
……抵抗しても無駄。
近づく唇を受け入れる。
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リュウ(プロフ) - マザーグースさん» ありがとうございます!ちょっと力抜きたくて作っちゃいました。。色々書いてるんですが載せるほどでもないかな?と思ってたんですがせっかくなのでリリ夢もぼちぼち載せていきますね…!お付き合い願えれば光栄です♪ (2020年9月5日 20時) (レス) id: 4f9eddeefa (このIDを非表示/違反報告)
マザーグース(プロフ) - こういう裏話的なのいいですね。リリ夢の書く予定ってありますか……? (2020年9月5日 18時) (レス) id: 446891bd7a (このIDを非表示/違反報告)
リュウ(プロフ) - 無銘ちゃんさん» 読んで下さりありがとうございます♪気まぐれに書きますのでお暇つぶしにどうぞ♪ (2020年8月30日 20時) (レス) id: 4f9eddeefa (このIDを非表示/違反報告)
無銘ちゃん(プロフ) - え!?めっちゃ好み (´∀`*)これからも頑張って下さい!応援してます! (2020年8月30日 16時) (レス) id: 99a8255de3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:リュウ | 作成日時:2020年8月29日 22時