ルーク【嫉妬の緑】15 ページ28
しばらくため息をついたり首を振ったりと忙しないルーク先輩を見上げていたが、やがて。
「……手を出さない、と約束したから、わたしはいつも以上のことはしないさ」
「……それは意外……ですね」
「……本音を言うなら今ここでキミのすべてを狩り尽くしたいけれど……そうすれば、キミが傷つくだろう。
……既に、関係ひとつ保つためにだいぶ……傷ついてるじゃないか」
「……傷ついてませんよ。仕方なかったんです、元に戻すには」
「……なら、何故泣いてるんだい」
「……え」
す、と先輩の指が……私の涙を拭う。
……拭いきれず、頬を伝う。ベッドを濡らす。
「……その傷は、わたしで癒せるのかな 」
ちゅ、と目元にキスをされて。
さらに涙が。
……嫌いではないとはいえ、恋人以外に触られるのも、何もかも……それなりに何か、心をからっぼにする行為ではあって。
「……抱きしめて、くれますか」
「……おやすい御用さ」
ぎゅ、と優しく抱きしめられて。
……恋人の甘い香りがする。
……同じ香水。
自分たちが合わさったような、そんな気分になる。
「……キミの気が済むまで、こうしているよ」
「……怒って、めちゃくちゃにされると思ってました」
「ノン！キミの恋人はそんな酷い人じゃないだろう」
「変な人ですけどね」
「……気持ちに任せれば、そうしていたさ。……けど、そんなことをしても、何にもならないからね。なにせ……
……キミはわたしを信頼したから、彼の要求を飲んだんだろう？」
……うなずくと、そっと頭を撫でられる。
「……言っただろう、愛している、と。……だから。
……だから。今夜は……大人しくキミの王子になるよ」
愛しのブランシュネージュ。
……私は王子様の背に手を回した。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 66人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
リュウ(プロフ) - マザーグースさん» ありがとうございます！ちょっと力抜きたくて作っちゃいました。。色々書いてるんですが載せるほどでもないかな？と思ってたんですがせっかくなのでリリ夢もぼちぼち載せていきますね…！お付き合い願えれば光栄です♪ (2020年9月5日 20時) (
レス) id: 4f9eddeefa (このIDを非表示/違反報告)
マザーグース(プロフ) - こういう裏話的なのいいですね。リリ夢の書く予定ってありますか……？ (2020年9月5日 18時) (レス) id: 446891bd7a (このIDを非表示/違反報告)
リュウ(プロフ) - 無銘ちゃんさん» 読んで下さりありがとうございます♪気まぐれに書きますのでお暇つぶしにどうぞ♪ (2020年8月30日 20時) (レス) id: 4f9eddeefa (このIDを非表示/違反報告)
無銘ちゃん(プロフ) - え！？めっちゃ好み (´∀｀*)これからも頑張って下さい！応援してます！ (2020年8月30日 16時) (レス) id: 99a8255de3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：リュウ | 作成日時：2020年8月29日 22時
