よし、番外編へ行こう。と思った今日この頃。【文スト】 参。

興味深な部屋・とあるアニメーター様リクエスト ページ5

「つまらなそうだな」

『あんたの方だろ、そりゃ』



白い髪に、深紅の瞳──澁澤龍彦という名のそいつは、私の言葉にニコリと笑うだけで私の左に腰かけた。


一言で云えば、私達は──訳が判らない空間に居た。



『此処、何だと思うよ、澁澤サン？』



皮肉でさん付けしてやると、澁澤は狂気的な笑みを浮かべた。自らが理解できない範疇の出来事をうっとりとして、嬉々として語るこいつはやはり狂っている。

狂っている──取返しがなく狂っていて、異常であり、正常だ。


私は澁澤が語るのを左から右に流して、『つまり？』と結論を急いた。



「何が何だか判らない」

『最初からそう云えよお前！！』



キレた。

普通にキレた。


痙攣する唇の端を残りの理性をかき集めて必死で押さえ、御託は良いんだよとにかく一刻も早く此処を出たいんだよ、という私の要望をできる限り簡潔に伝える。

澁澤は語り終えた私を数秒間じっと見つめた後──、



「……どうでもいい」

『ちっくしょう何だこの野郎ふざけんじゃねえ！！』



おあああ！！ ムカつく、何だ此奴ムカつく！！こんな奴が頭良いって本当不公平だろ神様よォ！！

……いや、でももしアイツが神様なら普通に不公平するわな。ぜってえやるわな。


何かもう精神的に色々と疲れたので、部屋を歩き回ってみる。部屋、といっても──ソファがあり、妙に明るいだけで何もないのだが。

と思った瞬間、本棚が出現した。

余りの部屋の自由さに声も出せずに固まる私と、「おお……！」と恍惚とした表情で叫ぶ澁澤。


まあ、何か読んでみるか──適当にそんなことを思い、本棚を見てみる。



【化物語・下 西尾維新】【暗夜行路 志賀直哉】【ヴィヨンの妻 太宰治】【勇者互助組合交流型掲示板 おけむら】


『……いや並べ方！！ あと三番目の奴はちょっと今すぐ消してくれ！！』



思わず大声で突っ込んだ私は絶対に悪くない。並べ方おかしすぎだよ何で一番と四番はラノベなのに二と三は文豪なんだよ後太宰さん澁澤と会ってるからダメ！！

……もうやだよー、というか本当此処何なんだよー……。



『…………はあー』



憂鬱。果てしなく憂鬱である。

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