よし、番外編へ行こう。と思った今日この頃。【文スト】 参。

「ポッキーゲーム」　弐 ページ17

「は、おま……」

『次！ 次お願いしゃっす！！』



最早恥ずかし過ぎで彼の顔も見れない全力で顔面を隠しながらそう叫んだ。コレは普通に無理ですわ。死ぬ。死因キュン死とでも書いておいてください。


脳内がぐちゃぐちゃになっているのは致し方ない、別に中也さんが推しという訳ではないが(こんなこと云ったらファンの方々にガチでぶっ殺されそうだが)本気で顔立ちが整っている人に床ドンされてみろ。挙句ポッキーゲームを持ち掛けられてみろ。



死ぬわ(真顔)。




「……チッ、」




何だか多少イラついた感じの中也さんが再度ポッキーを口に銜え、私の口の中に突っ込んだ。即座に噛み切る。別に負けたって何か罰ゲームなんかがある訳でもないし、これ以上私の心臓を心配させないで欲しい。心不全で死んだらどうしてくれるんだ。


……なんて脳内でひたすらに云い訳みたいなことをしていたら、不意に中也さんが「オイ」と妙に低い声で問いかけて来た。

顔を覆っていた手を恐る恐るどけてみれば、地獄の鬼もかくやと云わんばかりの彼の形相があった。ヒェッと声を出してしまったのは致し方なし。



『んぐ』



お前は阿保かと云いたくなるぐらいの変な声が出た。ポッキーでも乱暴に突っ込まれたらこんな声が出るんだなと思った。いやマジでいらない情報やんコレ。


これも先程のものと同時に即座に噛み切ったものの、何と中也さんが何をトチ狂ったか(失礼)、出ている分のポッキーを自分の指で押さえて私の口に押し付けているのだ。

ぎょっと目を見開いて唇を結んだが、それは彼にとっては関係ないようでそのままサクサクと食べられる。鼻先が触れあいそうになる、呼吸の音がやけに近い、体温が爆上げされていて、




「っと。終わりだなァ」

『……は』




ぎゅっと目を瞑ったのも束の間、中也さんの声が少し遠くから聞こえた。ぽかんとしている私を見て、「ぶは」と噴き出す。


は？


……は？？(二回目)



「あー、面白いなァ。キスするかと思ったかよ」

『えっ……ちょ、は！？ 流石にこれは中也さんでも許しませんよっ、』

「許してくれなくて結構だ」

『キィ──ッむかつく！！』




：：：




「ノミになりたい……」



後日ネガティヴなポートマフィア幹部が発見された。

におうさま・カビゴン可愛いよね様リクエスト→←「ポッキーゲーム」・カビゴン可愛いよね様リクエスト

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す