よし、番外編へ行こう。と思った今日この頃。【文スト】 参。

登場人物、1003人・ダリア様リクエスト ページ13

もしも凪が『共喰い』の時に、ポオの小説の中に入っていたとしたら。(本編とは全くもって関係なし)


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──その物語の登場人物は、1000人。この半分、つまり500人が犯人であるという何とも突飛な発想の推理小説(ミステリ)だ。私ならばそんな小説読む気にもならない。何せ500人の殺人鬼の描写をされているのである、絶対に途中で読む気が失せる。

　「えっ何々ミステリ？ でもつまんなそうだな、じゃ別に良いわ〜」などと宣えたら楽なのだが、乱歩さんによって「僕が居るんだから此処が一番安全」と強引に押し付けられ、読むまでもなく本の中に吸い込まれた。



『端的に云って死にそう』



げっそりとした表情で呟くのは何を隠そうこの私。もう一度云おう。死にそう。


一番最初に入った場所は、とある河原だ。この世界に入るのは初めてのことなので、少し戸惑いながら辺りを見回した処。突き落とされそうになった。何を云っているのかお前はって？ ガチだからちょっと私の記憶覗いてみ？ まぁどうせできないだろうけどな！

そしてその突き落とそうとした人物の頭上に降って来た人は中也さんである。



「うぉお!?……誰だこいつって何でお前此処にいるんだ!?」

『ども〜』

「はっはっは！ 君の薬指に結婚指輪の日焼けの跡があるが今は無い！ しかも顎には無精髭があるがスーツはきっちりと皺がない、この二つは常に相互関係にあるからどちらか一方だけきちんとしているというのはおかしい。つまり君は」



一気に騒がしくなったんですけど。中也さんとほぼ一緒のタイミングで降って来た乱歩さんは、しかし地面に華麗に着地した。それからぺらぺらとその人に向かって喋る。全く意味が分からなかったので途中から耳の情報を遮断した。



「おい待て、は!? 異能力も使わずに500人全員を選別しろっていうのか!?」

「そうだよ〜。頑張ってね、『太宰に負けた』素敵帽子くん」

「……重力操作が使えなくても、体術はまだ体に残ってるってコト忘れんなよ……!?」

『すいませんバチバチすんのやめてもらえます？ 取り敢えず』



私は途中で言葉を切って、前方を指さした。二人が一拍遅れて同じようにそちらを見る。


13日の金曜日に登場してきそうなチェーンソーを持った殺人鬼がいた。


引き攣った表情を浮かべる中也さん、流石にこれには苦笑を漏らす乱歩さん、恐怖で腰が抜けそうな……あっ抜けた。



『死ぬ死ぬ助けて下さい中也さん』

「はっはっは！馬担当、頼むよ！」

「チクショウッ、誰が馬だァ──ッ！！」

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