…そうだ、番外編作っちゃおう！と思った今日この頃。【文スト】 弐！

強運おみくじ ページ44

「発毛で」「初詣だ」「だな」

「おい変換間違ってるヤツいるぞ」



ガヤガヤとした人の喧騒に巻き込まれながらも探偵社員は初詣に来ていた。

中でも敦、鏡花、賢治が目を光らせている。ちなみに凪は死んだ目になっている。



『二つのダイレクトアタックで私の心は瀕死ですね』

「えっ何で」

『一つはこんな人が多い処に居るだけでメンタルがガリガリ削られていきます。私インドアなんですよ知りませんでしたか』



ちなみにもう一つは、神様ってあの自称野郎じゃん！ との考えに思い至った凪が死んでも祈りたくない、ということである。

敦、鏡花、賢治が目を光らせている理由はこんな処中々来なかったからである。敦は無論、鏡花も親が行かせてはくれなかったのだ。その時の理由は解らなかったが、恐らく自分達への復讐劇に巻き込ませたくなかったのだろう。

賢治は至極単純、毎年村の人だけでやっていたのでこんな大人数見た事ない！ という訳であった。



「御神籤引こうよ」「俺は貴様に引いている」「えっ」



御神籤の結果は、大吉の者が一名居た。乱歩である。大凶の者も居た。凪である。だが一番ショックを受けていたのは太宰だった。理由は秘す。



『逆に凄いけどガチでショック』

「大吉の僕には到底考えられないな！」

『ア──ッちくしょう何でだよ!!』



地団駄を踏む凪には本気で理解できなかった。己以外全員が末吉以上である。何故自分だけが。

いやまあ神は信じてないけどさあ、どころか凄いウザい奴だと思ってるけどさ、と云う凪に「だからじゃね？」とツッコむものは居なかった。



「今年もいいことありますように！」

「今年はいいことありますように！」

『一文字変えただけで凄い差だな……』



呆れる凪だったが、ちょっと唇を引き上げた。


病は気から。幸運も気からだろ。




『じゃあ、今年も笑って過ごしましょう──ッ！』

「「「オ──ッ!!」」」

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