約束４ ページ27
遥が去った後
「お〜いててて」
セリフの割に無傷で洋が瓦礫の下から這い出た
「…人の家を破壊するのは止めてくれんかね？」
ため息をつきながらチェッカーフェイスが奥の間取りから顔を出す
「やれやれ、全く。これはもう修復不可能だな。何故、彼女にあんな嘘をついたんだい？」
「約束だったからな」
手近な瓦礫を片付けながら洋が答えた
「約束？君がかね？」
「ああ。アイツの母親―――若菜とのな」
そう言いながら洋は薄く微笑する
『お願い…あの子を寂しがらせないで』
死にゆく間際、若菜が言った言葉
存在した時から同朋の誰よりも強い力を持ち、それゆえに世界に執着を持てなかった自分が唯一惚れた女
暇つぶしに他次元へ行っては気まぐれで世界を壊していた
この世界の白蘭よりも大規模に
そんな自分に何の特殊な力も持たないくせして、一人立ち向かってきた女
誰よりも強い心を宿して
俺はアイツのその目に一瞬で惹かれた
だが若菜が死んで、気が付けば、一年という歳月が風のように過ぎていて
世界にまた執着を持てずに遥のことも忘れていた
それでも、若菜との約束を守るために再び俺は生き始めた
遥が余計な心配をしないよう、記憶を封印し――
心配ではなく、怒らせて常に元気で過ごせるように無茶ぶりしまくり――
そんな生活をしているうちに遥も喜怒哀楽が出るようになった――
だが、もともと一つの異世界に長く留まることは出来ない
故にこの世界へ戻ることにしたが、今までの無茶が重なった俺は遥をこの世界へトリップさせることは出来てもしばらく身動きが取れなくなった
アイツは…負けなかったがな
『関係ない！絶対に、遥の記憶を取り戻すんだ…！！』
虹の代理戦争で、先程の小僧が言ったセリフが思い浮かんだ
「……ふ」
我が娘ながらいい奴を選んだな
ラッキーアイテム
革ベルト
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 93人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
アオイ(プロフ) - 実さん» ありがとうございます！番外編ならではの豪華版ですｗ (2015年3月12日 0時) (
レス) id: 514c05d317 (このIDを非表示/違反報告)
実 - 結婚式騒動読みました!!プリーモファミリーが来たところで涙腺崩壊しました(T-T)遥、炎真末長くお幸せに!! (2015年3月11日 22時) (携帯から) (レス) id: e9c8e38941 (このIDを非表示/違反報告)
アオイ(プロフ) - サナさん» どもどもｗｗｗｗ (2013年9月26日 22時) (レス) id: 75557f8640 (このIDを非表示/違反報告)
サナ(プロフ) - まさかの展開！でもおもしろかったよ。 (2013年9月26日 22時) (レス) id: 455c23aca4 (このIDを非表示/違反報告)
アオイ(プロフ) - サナさん» さぁ？次で分かりますｗｗ (2013年9月26日 19時) (レス) id: 75557f8640 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：アオイ
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/yumenusi202/
作成日時：2013年4月5日 12時
