【ハイキュー】もう無理です。

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*
及川side







おかしいな。









「……私、やめるね」









どうして、そんな苦しそうな声を出すんだろう。
どうして、急いで部室を出ていくんだろう。





どうして、1度もこちらを見ないんだろう。









『A…？』









Aが出ていった先には、国見ちゃんたち後輩がいて。
心做しか、こちらを見る目は冷たく感じた。









「みなさん、何言ったんですか」







「え？」







「なにって…」









"何かを言った"ことが、確信されているのはどうして？
考えていることが顔に出ていたのか、金田一が口を開いた。









「…Aさん、泣いてました」







「「「……っ！？」」」









泣いて、た？









『なんで…？』









どうして、泣いてたの？
俺たちが原因なの？









「先輩方、Aさんに何を言いましたか」









そう言う国見ちゃんの目が、
俺たちを責め立てているようで、
気づいたら、声に出していた。









『ごんちゃんいるし別にいいよ、って…』







「それだけですか」







「…おれらも、使えねえなあって会話は、した」









マッキーとまっつんも話してたんだ。
でも、そんなの俺たちにとってはいつも通りのことじゃん。
Aも、分かってたんじゃないの？









「……っ、それ、Aさん相当傷ついたと思いますよ」









矢巾と渡っちも、顔を顰めて俺らに言う。









「いやでも、俺らからしたらいつも通りのやり取りだろ」









今俺が考えてたことを、岩ちゃんが言葉にする。
そうしたら、国見ちゃんが呆れたような息を吐いた。









「もちろん、皆さんがAさんのことを大好きで素直になれないのは、俺たちはわかってます」









でも、と俺らの目を真正面から見つめて続ける。









「言ってはいけない言葉も、あるんじゃないですか」







「もし、皆さんが今まで一緒にやってきた仲間に、"お前の代わりなんているから、いなくても別にいい"って言われたら、どう思いますか」







「「「…っ！！！」」」









矢巾の言葉で、何かが覚めた。
俺は、俺たちは、なんて残酷な言葉を言ってしまったんだろう。

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