もしも夢主が探偵社員だったら 続き ページ7
…中原さんと知り合ってからもう早一週間。
その間一度も逢えていない。
『何でだ〜………。』
小さく間延びした口調で云うと、
寝ていた筈の太宰さんがムクッと起き上がる。
……本当に耳の善い人だ。
「如何したんだいAちゃん?」
『太宰さん………。』
…此の人なら、何か知っているかも知れない。
『中原さん…中原中也さんって知ってます?』
ブッ
何処かで珈琲を噴く音が聞こえた。
目の前の太宰さんは苦虫を千匹一緒に
噛み潰したかの様な顔をしている。
『知り合いなんですか?』
と訊くと、うん…まぁ……という微妙な反応。
教えろよ、と少し睨んでいたら
暫くして仕方無さそうに口を開いた。
「逢って何をする積りなんだい?」
…逢って、何がしたいんだろう。
矢張り__、
『…街中で助けられたんで、その御礼です。』
下心も勿論あるけど!あるけど!?
此れが一番大切な筈。
…なんて風に人が真剣に考えている時に
目の前の太宰さんは百面相をしている。
驚いた様な顔から笑いを堪えた顔、
悪戯を考えている顔、真面目ぶった顔……。
一つ一つ理解出来る様になってきて、
余計に腹が立つ。
『……何なんですか。』
「ん?あぁ、別に御礼をするのに笑った訳じゃ…
『じゃあ何に笑ったんですか。』
………まぁまぁそんな怒らないでよ。」
何もかも知っている風なのが気に食わず、
苛々し始めると宥められた。
そして目の前の女の敵は笑って、
「笑ったのは、マフィアが人助けしてた事かな。」
__爆弾発言をした。
********************
意外と長い……まだ続きます
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作者名:こん | 作成日時:2019年2月17日 9時