照兄の彼女になりたい4

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蓮「…………えっ、」









は…………？









蓮「………いや、なんで？

まだ海外いるんすよね？」





照「うん。今オーストラリアにいる」







はっ、とした。





先日Aと飯行った時に言ってた。




"今度、康二と一緒にお仕事するんだよね。
しかも海外で！オーストラリアだって！"









蓮「………そんなこと、あります？」





日本よりも広いんだぞ？


そんなばったり、会うもんなの？








照「………康二にも、会った」



蓮「は？待ってください、
全然状況が理解できない」






照君が、順を追って話してくれる。





仕事でオーストラリアに来ていたAと、道端で偶然出くわした挙句、


仲良くなり、一緒にお茶し、Aが倒れ、康二が迎えに来た。






いやいや、そんなの、








蓮「……………どんな運命なんですかそれ」



照「………怖いんだけど。俺も」



蓮「その話の通りだと、Aは、まだ思い出してないんですよね？」





照「………俺に関する記憶に近づこうとすると、頭痛くなっちゃうみたい」





確かに、何度か聞いていた。





"蓮、私高3あたりから急に頭痛持ちになったんだよね"


"体作りでランニングしたいのに、走るとすごく痛むの"


"ずっと使ってたヘアオイルも、好きな香りなのに、香りに意識した途端頭痛くなる"


"病気なのかなぁ"








蓮「………康二は、何か言ってましたか？」



照「………そりゃ怒るよな。
俺が康二の立場なら、絶対手出ちゃってる」






どちらかが幸せになれば、どちらか苦しんでしまう。





最悪な三角関係。







蓮「………これから、どうするんですか」





照「会ったらダメなのはわかってるのに、
会いたくて仕方ない。

1ミリも気持ちがなくなってなかった事に、心底呆れた。


Aの事忘れる為に離れたのに、

Aに幸せになってもらう為に離れたのに、

この5年間の俺の努力は何だったんだろう」








自傷気味に、そんな事を言うもんだから、
俺も胸が痛くなる。




5年前、胸ぐらを掴み泣き叫ぶ康二と、俺らの前から立ち去った照君の姿を、今でも鮮明に覚えてる。








俺は、ずっと後悔している。




あの時、俺にも何かできたんじゃないのかって。








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