もう一つの輝き『イナイレ』 (ページ11)

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昔話 4-3 ページ11

一之瀬side

一番最初に書いていたトレーニングノートをなくして1冊はないが、今書いているだけでも5冊だった。フィールドに立つこともできない彼女だったが、サッカーに対する情熱は俺ほど、いや、もしかしたら俺よりもっと強いかも知れない。

思いっきりドリブルをして帰ってきたら、タオルとドリンクを持っているAがいた。

夕焼けに彼女の銀色の髪が染まった. 明るく笑ってくれる姿に俺も明るく笑って答えをした.

"一哉は本当にすごいよ。私の幼なじみに紹介してあげたいくらい。"

"…幼なじみ?"

"うん"

'この表情。知ってる。'

彼女の目がまた輝いた。彼女はきっとその幼なじみという子のサッカーも愛していたのだ。いや、もしかしたらその友達を愛したかも知れない。どきどきする胸は収まらなかった。

"……好きだった?"

"うん?何を?"

"その幼なじみ"

"うん……好きか…友達としては?"

照れくさそうに笑う彼女を見てうるさかった胸をなでおろした。出会いは遅かったけど、俺にも機会があるかもしれないという希望ができた。

俺はAの手をしっかり握った.

"じゃあ、俺は?"

"一哉?"

"俺は好き?"

"…ふふ、勿論好きだよ。一哉も私の友達なんだもの。"

鈍感な彼女は首をかしげたが、それで十分だった。これから俺を意識するように作れば良いから、幼なじみに負けないように。そのきらめく眼差しを俺が独占できるように。

"俺もセウンが大好き。すごく好きだよ"

"ありがとう"

"……うん"

俺はもっと強く彼女の手を握った。