0-4◆別れを告げる ページ7
『僕はこれくらいですかね……そちらはどうです？』
「お前に言われなくとも完璧だ。」
ブランの返事にシェイアは不機嫌そうな顔をする。
この2人は物心ついた頃から喧嘩しかしていない。
お互いが“like”のほうの好きさえも拒む。
何故仲が悪いかは本人達もわからないが、
「なんだか気に入らない」と答えている。
『ルナ……』
シェイアは隣の部屋を見る。
隣の部屋は、ルナとジェーナの部屋である。
ルナとジェーナの部屋は、繋がっている。
だから、どちかの部屋の扉をくぐれば会うことができるのだ。
碧「主様方、奥様からこちらを渡すようにと。」
碧と紅羽は、小さい箱を2人に渡す。
開けてみるとそれは、宝石のついたジャボだった。
シェイアの宝石は赤色。
ブランの宝石は青色。
目と同じ色の宝石である。
ジャボは、シェイアは青色。
ブランは赤色。
服と同じ色である。
『美しいですね。』
「これは…？」
碧「どうやら、お守り……みたいですよ。」
紅羽「どうやらこれをつけてると普通は特務司書や審神者にはできないことができるんですって。」
2人はそれぞれ貰ったジャボを服につける。
碧と紅羽は「似合う」と絶賛する。
紅羽「あとで読んでください。それの説明らしいです。」
紅羽からメモを受け取り、ひとまずは無くさないように箱の中にしまう。その箱もキャリーケースの中へとしまう。
碧「さぁ、行きましょうか。」
『……はい』
紅羽「……いつでも帰ってこれますよ。」
「……あぁ、そうだな。」
2人は部屋を出る。
そして東雲の待つ玄関まで行く。
東雲「さぁ、車を止めてあるので行きましょう。」
『はい……お母様、お父様、何かあったら連絡を。』
ｽﾃﾗ「うん。わかってるよ。」
「母さん、父さん……行ってくる。」
靴を履いて行こうとした時、2人はセレナに抱きしめられる。
ｾﾚﾅ「……気をつけて。」
『……はい。』
「心配するなって。」
セレナはその言葉を聞き、2人から離れる。
そしてこう言う。
ｾﾚﾅ「いってらっしゃい。」
その言葉に2人は笑顔で言う。
『「行って来ます。」』
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作者名：月夜 | 作成日時：2024年2月5日 18時
