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「でも……向こうだって平和だ平和だ言って平和じゃない……のかも」
「戦争してるん？」
「別の国は、してる。貧困の差は激しいよ。でもそうじゃなくて……あのね、あっちの世界の死因って病気が多いけど、本当に1番多いのって堕胎なんだって、漫画で言ってた。無計画に作って経済的に〜とかまだ学生だから〜とか言い訳しておろしちゃうんだって。あとね、自死もすごく多いんだ。10代だよ？兵役もないんだよ？普通に学校に通ってたはずの、私よりも年下の子供がだよ？それでも加害者は逮捕されないんだよ」
「変な国やな」
「ほんとそれ。こっちの世界の方が筋が通ってる」
そう言ってさらにグラスを煽る。
よかった、さっき気付かれずに水に摩り替えておいて……。
「真面目な人が損する世界なんだよ。お母さんがそう」
「真面目な人やったんやな？」
「筋を通す人だった」
「ならちょうどええやん。母親の遺伝子受け継いどるんやったら他の向こうの世界の人間よりもきっと生きやすいやろ」
「どうかな……他の人と仲良くなれそうにないし……なんか殺されかけるし」
「(殺されかける？)」
「助けて貰っておいてこんなこというのもなんだけの……こんなに味方がいない状況でさ、こんなに敵意向けられたことなんてなかったから……それに、お母さんがどうなったかもわからないし、向こうの世界で私が生きてるのか死んでるのかもわからない。……まだこっちに来てちょっとしか経ってないけど……」
負けそう
俯いて静かにポツリと呟いたと同時にテーブルにポタリと水が落ちる。
あかん。
普段こんなことで気を許すなんてことは無い。
実際に許す気は無いのだが、許してしまいそうな自分がどこかにいる。
自分より歳が下で、急に知らない世界に連れてこられて、死にかけて、敵意を向けられて、何も分からないまま笑って従わなくてはならなくて。
これが演技ならば天晴れだ。そう思うことにしよう。
「俺が、お前の味方になったる」
その途端、Aがこちらに倒れ込んできた。
え！まさかのそういう展開！？
ドキドキとAの名を呼び顔を覗き込むと……
「うわ、ぶさ」
酔っ払ったまま寝落ちしてヨダレ垂らして白目半目のままになっているAの顔はムードもくそもなく。
数秒経ってから馬鹿らしくなってムカついたからデコピンしてやった。
こいつに酒を飲ませるのはやめよう。心に誓った。
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四ツ目神信者（笑）(プロフ) - ちょこちょこ入ってくるネタがツボに入って辛いですｗｗｗ応援してます！ (2019年8月23日 18時) (
レス) id: 6078fac12b (このIDを非表示/違反報告)
柚月(プロフ) - あさん» ご指摘ありがとうございました。探すのに時間がかかり返信が遅くなってしまい申し訳ございません。これからもぜひよろしくお願いします！ (2019年7月11日 22時) (レス) id: b56924dbb1 (このIDを非表示/違反報告)
あ - 間違いだったらすいません (2019年7月6日 13時) (レス) id: 9202ab28fa (このIDを非表示/違反報告)
あ - じっと見つめられる瞳は思い…誤字ってます (2019年7月6日 13時) (レス) id: 9202ab28fa (このIDを非表示/違反報告)
さなろ(プロフ) - めっちゃ面白いのでリクエストして見たくなりました！ (2019年5月11日 10時) (レス) id: 84ef21ef5c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：柚月 | 作成日時：2019年4月16日 5時
