爆裂ときさらぎ駅 ページ27
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変わり映えのしない景色にうんざりする。もう、何時間歩き続けただろうか。とっくに日が暮れていてもおかしくない時間のはずなのに、未だに太陽は俺たちの真上にいる。
「……お腹空いたなぁ、おにぎり食べたいや」
「緊張感がなさすぎですよ、灰原」
「まあまあ、歩いても歩いても駅に戻ってくる無限ループを始めて何時間も経ってんだ。腹が減るのは仕方がないだろ」
「ということで、自動販売機があったからジュース買っていい? 本当はお米がいいんだけど…」
「いや、固形物は勿論、液体も一滴も口に入れたら駄目だ」
肯定から否定へと逆転。そんな俺の言葉に灰原は「そんなぁ〜!!」っと落胆する。ぎゅるると鳴る腹を抑える灰原の背中を軽くポンポンと叩きながら、俺は「仕方がないだろ?」と繰り返し言う。
「生得領域内の食べ物が安全かどうかも分からないし、それに
俺の言葉にうんうんと頷く七海。またも灰原から残念そうな声が聞こえたが、それ以上は何も言わなかった。
黄泉戸喫__ヨモツヘグイとは、簡単に言うと『あの世のものを食べると生きてこの世に戻れなくなる』ということだ。実際にそのように言われている事例が極々少ないが、確認されている。
一言で言えば拾い食いはするな、である。
……だがしかし、この任務が長引けばこの領域内のものも口にしなければならなくなるかもしれない。
今回の任務の内容はこの生得領域を消すことだ。だが、領域内に呪霊がいるかいないかすら、俺たちは分からない。
そもそも『きさらぎ駅』とは某有名スレの怪談が発祥とされており、その話に負の感情を抱いた者たちから作られた特殊な領域だという仮説__という憶測の域を出ない仮説ばかりが任務説明でされている。
ぶっちゃければ、この領域の発生源が不明なのである。何もかもが不明。唯一分かっているのはこの領域の行き方と『きさらぎ駅』に行ったであろう死体が発見されていることだけ__その死体の携帯にはきさらぎ駅の看板が残っていたのだ。
長引けば不利なのは俺たちだ。さっさと終わらせて帰りたい。
「……ん? なんだ、これ」
そう思っていると、田んぼの中に沈んだ何かを見付けた。漸くの進展だ。
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モナカの中の粒あんの中のあずき - この作品面白かってここまで夏休みの宿題もほっぽりだして一気読みしちゃいました!更新楽しみにしてます!! (8月18日 20時) (レス) @page37 id: 5a8fdc6461 (このIDを非表示/違反報告)
ぷっちん(プロフ) - 更新頑張って下さい!応援してます! (2023年5月3日 15時) (レス) id: bdddc4d914 (このIDを非表示/違反報告)
ひな(プロフ) - まじさいっこー!このすば大好きだからめっちゃ嬉しいです!楽しみにしてます! (2022年6月21日 15時) (レス) @page24 id: ed520dee7f (このIDを非表示/違反報告)
ナチテト@ワイ日本語おかしすぎワロタ - 呪具の名前、 「紅麗主刀」(べにれいかずとう) と、「赤爆勝刀」(あかばくしょうとう)とか、ホントにセンスないのですが、どうですか………? (2022年5月17日 17時) (レス) @page21 id: b29450610e (このIDを非表示/違反報告)
しふぉん(プロフ) - 更新嬉しい…これからも無理なく頑張って下さい! (2022年5月13日 15時) (レス) @page23 id: 9274152077 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シロツメココロ | 作成日時:2022年2月11日 22時