いつもと違う ページ31
『そんなことより勝己くん！お帰りですか？』
「は？テメェにンなこと関係ねぇだろ。つーか何で俺の名前知っとんだ」
『えっ……何でって』
ここで私は改めて自分の姿を思い出します。
私は今人間。とすると勝己くんとは初対面な訳です。
それなのに、勝己くんの名前なんか呼んでしまったら、不審がられるに決まっています。
ここは事実を話して、私が勝己くんの飼い猫であることを信じて頂かないと！
『私はAですよ、勝己くん！』
「……………………あ？」
『そのお顔、信じてませんね？小学校の頃からずっと一緒に居るじゃないですか！』
「…新手の敵か？」
『違います！本当にAですよ勝己くん。ほら、一緒にプールに行ったり、この前だって喧嘩して仲直りしたばかりじゃないですか！』
「…………」
明らかに疑っていた勝己くんでしたが、5分ぐらいやり取りを続けてやっと信じてくれました。
そして今は、勝己くんと一緒に寮へ帰っている途中です。
「で？なんでその姿なんだよ」
『…ちょっと学校の敷地内から出てお散歩をしていたら、女性に撫でられまして…』
「そこで個性かなんか掛けられたと」
『そういう事になります』
「ﾊｧ…危ねぇから外出んなって毎日言ってただろうが」
『…うぅ、ごめんなさい』
深い溜息を吐いて呆れる勝己くん。
約束を破ったのは私なのに、ちっとも怒鳴る気配はありません。
やっぱり勝己くんは優しいです。
『…勝己くんが居ないと、どうしても寂しくて……』
「別に怒ってねぇから、ンな顔すんなや」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ
俯いて落ち込む私の頭を、勝己くんはいつもみたいに優しく撫でてくれました。
私はそれが久しぶりな気がして、とても嬉しい気持ちになりました。
勝己くんとこうやって肩を並べて歩く事が出来るなんて、まるで夢のようです！
そんな事を考えていると、勝己くんが眉間にシワを寄せて呟きました。
「寮着いてから面倒くせぇな……」
『でしたら私、外に居ましょうか？』
「Aを外に置き去りに出来るわけねぇだろうが。アイツらが騒ぐ前に、とっとと部屋に帰るぞ」
『はい勝己くん！』
元気よく返事した私を、また撫でてくれた勝己くん。
そして私の左手を握って、勝己くんは寮の中へとは行きました。
最近見なれてきた風景の筈なのに、今は全然違うものに見えます！
少しだけワクワクしながら、勝己くんの後ろを着いてきいました。
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しぐ - かわ (9月29日 22時) (
レス) @page39 id: daa8a87cdb (このIDを非表示/違反報告)
みぃ - めっちゃおもろい もうなんか、めっちゃ好き！ (9月4日 9時) (レス) @page39 id: 6e3a47796c (このIDを非表示/違反報告)
真白 - 猫ちゃんかわいい(*≧з≦)❤ (2023年2月24日 22時) (レス) @page39 id: 1bd364c53c (このIDを非表示/違反報告)
みかん - 好きですっ！！！ (2023年1月16日 18時) (レス) @page39 id: 090773d13c (このIDを非表示/違反報告)
しろごま - 猫大好き人間です！ほんとの猫もこんなこと思っているのかな〜と思いました！更新頑張って下さい！ (2022年9月17日 19時) (レス) @page39 id: 4dc97dea49 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：苺大福 | 作成日時：2018年12月5日 13時
