【WT】雲のように白く【短編集】 (ページ7)

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Nk「僕らがAの主治医だから、困ったことがあればなんでも言ってね」

kr「君の部屋は201号室…ここね、今日は夜遅いからまた明日ね、おやすみ」

『…おやすみなさい』

部屋の扉の先にはベッドと机、トイレとお風呂があり、ほんの少し狭い空間があった。

がちゃ、と金属製の重たい扉が閉まり、2人分の足音が遠のいていく。

完全に音が消え、ドアノブを捻る。…が、開くことはおろか、捻ることすらできない。

『ありえない…鍵なんてかけていなかったはず
…』

ほんの微かな希望が絶たれて、絶望に突き落とされる。呼吸は浅く、脳に上手く酸素が回らない。目からは涙がポロポロと意思に反して流れていた。

上手く回らない脳は役に立たず、だんだんと苦しくなっていき、目の前は真っ暗になり、意識を手放した。

Nk「A起きて、朝ごはんの時間だよ？」

『…おはよう、ございます』

冷たい床で意識を手放したはずだが、目が覚めるとふかふかのベッドの上にいた。

kr「目が腫れてるけどワイテル病にかかったのがそんなにショックかい？」

『別に、そういう訳じゃないです』

kr「そうかい、まあちゃんと治してげるからさ」

Nk「薬は食事の中にあるから、ちゃんとご飯は食べるんだよ？」

そう言ってなかむ…先生はお皿にのったパンを机に置いて、それをまじまじ見ていると、おかしな所は見つからなかった。

kr「言い忘れてたけど、部屋に監視カメラあるから。行動には気をつけるんだよ？」

Nk「それじゃ、ご飯食べ終わったらまた来るから」

ドアが閉められて、鳥肌が立つ。

先程のきりやん先生の言葉が脳を反芻して再び絶望に突き落とされる。

それは逃げれないことを示唆しているのか、はたまた、ただ監視しているのを伝えたかったのか。

いくら考えても分からなかったが、ただ絶望的な状況に置かれているのは分かった。

口に放り込んだパンは味がしなかった。

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医者組でEscapeネタでした！
あまり恋愛要素なくて申し訳ないです；；

余談ですがEscape続編決定しましたね！！

あと評価20↑、お気に入り150↑ありがとうございます；；