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5話 ページ6

「あ〜!Aチャン待ってたよぉ。」




俺の右肩に頭をのせるフロイド。




「おかえりなさい兄さん。」




俺の左肩に頭をのせるジェイド。




「速くこの双子をどうにかしてください。
Aが居ないと僕の苦労が増えます。」




その様子に呆れるアズール。
俺はアズールに礼を言って弟たちの手を引っ張り部屋へ向かった。




「ねぇねぇ、今日も一緒に寝よう?Aチャン。」




「僕も一緒に寝たい、です……。」




なんで弟ってこんなに可愛いのだろう。
いつまで経っても変わらない弟たちに反抗期が来ないのか心配になる。




俺は二人の頭に手を置いた。




「嗚呼、いいぞ。俺が風呂入るまで待っててくれ。」




そう言うと双子は笑顔で了承し俺を見送ってくれた。俺は部屋を出る。




オクタヴィネル寮には大浴場がある。
基本時間帯は決まっているが、アズールにいつでも入っていいと許可を得ているので大体深夜に入ることが多い。貸切だ。




水の中の生き物だからか、どうにも風呂が好きだ。落ち着く。




体を洗って広い湯船に浸かる。
ちょうどいい温かさが、今日の疲れをとってくれるようだった。




「……お隣、いいですか?」




背後から声がして見上げれば腰にタオルを巻いたアズールがいた。眼鏡を取っているので新鮮だ。




「どうぞ。珍しいな、ここ滅多に使わないだろ。」




「貴方にあの双子の事でクレームをつけに来ただけですよ。」




アズールは湯船に浸かるとふぅと溜息をつき、
俺の方を見た。




「今日は失敗ばかりでした。寮生がグラスを割り、双子がクレーム言ってきた生徒を煽り暴れ回るし……もう嫌だ。蛸壺に帰りたい……。」




終始俯き泣きそうになっているアズール。
繊細なのだ。




「それは災難だったなぁ。よしよし。」




そう言ってアズールの頭を撫でると、キッと睨まれた。




「どうせ貴方もグズでノロマなタコ野郎とでも思っているのでしょう。」




「頑張り屋さんのアズールって思っているけどなぁ。」




アズールは少し目を見開き、不貞腐れた表情をした。




「貴方の前だと、気が抜けてしまいます。
双子が懐くわけですね。」

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らずぴす(サブ垢)(プロフ) - マカロンさん» 長い間すみません!少しあと一ヶ月経ったら更新しまくるのでよろしくお願いします!! (2021年2月4日 7時) (レス) id: 204a8b350b (このIDを非表示/違反報告)
マカロン - 久しぶりに見たら更新されてました!あ〜!!!続きが気になります!! (2021年2月4日 0時) (レス) id: 2dc6582dc3 (このIDを非表示/違反報告)
らずぴす(サブ垢)(プロフ) - ラムさん» 長らくお待たせしてしまってすいません……! (2020年12月2日 19時) (レス) id: 204a8b350b (このIDを非表示/違反報告)
ラム - 続きが気になる (2020年11月28日 21時) (レス) id: 2a665cb182 (このIDを非表示/違反報告)
らずぴす(サブ垢)(プロフ) - mioさん» 返信遅くなってすみません!コメントありがとうございます!! (2020年11月13日 15時) (レス) id: 204a8b350b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:らずぴす x他1人 | 作成日時:2020年9月20日 20時

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