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第50話 ページ12

無限城にて。



「……A、私はお前に失望している。柱如きお前なら一突きだろう。
そういう風に私が育てたんだ。」



「……申し訳ありません。」



鬼舞辻は殺気をビリビリと放ちながら早口で言った。
俺は無機質な声で謝り、そういえば刀を置いてきてしまったなと後悔する。



あの時、実弥さんも俺も刀を地面において拳を奮った。俺の一方的だが。
どうして実弥さんは刀を置いたのだろう。謀反を起こした俺の首を斬れば良かったのに。
まあ俺と首をとるとか言って刀を使わなかったからな。
やはり斬る覚悟は俺には無かったという訳だ。



鬼舞辻は猫のような縦長の瞳孔を開き、俺に向けてこう言い放った。



「あまり親を失望させるな。
お前の両親の代わりに親として務めた私にとっては自分の子が柱の首をとるくらい当たり前の事なんだ。特に、お前は“特別”なんだ。……次は無いからな。」



「御意。」



次の瞬間、鬼舞辻は姿を消した。鳴女さんの血鬼術だろう。
明かり一つない広い部屋に一人取り残される。あるのは窓から差し込む月の光だけ。



俺は畳に仰向けになり、天井を見上げた。
なにを考えたって此処からは逃げられない。実弥さんと対峙した時だってそうだ。
たった3文字の言葉すら言えなかったのだから。

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みー - もう夢主が性癖にぶっ刺さってくるぅ!!不死川さーん!!!かっこいいっす!泣きました (2021年9月6日 18時) (レス) id: 6d65fc1765 (このIDを非表示/違反報告)
らずぴす(プロフ) - かすみ草とハルジオンさん» とても光栄なお言葉ありがとうございます!嬉しいです!! (2020年4月9日 0時) (レス) id: cd5ea6550c (このIDを非表示/違反報告)
かすみ草とハルジオン - 夢主のキャラと言うか性格が好きすぎてヤバいです! 普通に号泣できるぐらい凄いです!((語彙力  こんな凄い作品を読ませてくれてありがとうございます! (2020年3月23日 15時) (レス) id: 36ef626f85 (このIDを非表示/違反報告)
らずぴす(プロフ) - √さん» ありがとうございます!嬉しいです!!呼吸の取得おめでとうございます(笑) (2019年12月27日 12時) (レス) id: cd5ea6550c (このIDを非表示/違反報告)
- 尊いの呼吸・弍の型 号泣が使えるようになりましたありがとうございます (2019年12月23日 21時) (レス) id: 0e9c842430 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:らずぴす x他1人 | 作成日時:2019年9月8日 18時

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