第36話 ページ39
大きく拳を振りかぶった炭治郎をぼー、と見つめながらも攻撃をかわす。
地面に着地した炭治郎が俺を睨む。そんな怖い顔するなよ。
自分の心が、闇に吸い込まれていくのがわかった。
「俺さあ、本当は鬼側の人間なの。皆に嘘ついて騙してたんだよ。皆面白いように騙されて……あはは、傑作だったなあ。」
3人の殺気が俺を鋭く刺す。心が、痛い。痛い、痛い、痛い。……痛くない？
また自分の気持ちすらも分からなくなっている。そんな自分をかわいた笑いで飛ばした。
もう、元には戻れない。俺の鬼殺隊と言う居場所は完璧に潰した。
「……じゃあね。」
俺はくるりと3人に背中を向け歩き始める。
何故か涙が頬を伝ったが、気にせず歩き続ける。
「……でも、鬼殺隊に居て楽しかったって、言ってたじゃないか！」
その声に俺は足を止める。声からして、善逸だろう。……さっきの呟きを聞き取れるとはなあ。
俺は背を向けたまま無機質な声で言った。
「楽しかったなんて、嘘だ。」
そう、嘘だ。楽しくなんて、なかった。
きっと、そうだ。
これ以上この場にいると胸が締め付けられて息が出来なくなりそうなので、急いで猗窩座の所へ向かった。
炭治郎が何か叫んでいたが、全部聞こえないふりをして、朝日とは逆の方向に走る。
これでいいんだよな？
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らずぴす(プロフ) - 雷雅さん» ありがとうございます！頑張ります！ (2019年8月29日 20時) (
レス) id: cd5ea6550c (このIDを非表示/違反報告)
雷雅 - 更新頑張ってください！ (2019年8月29日 19時) (レス) id: e8ca574508 (このIDを非表示/違反報告)
らずぴす(プロフ) - 夜桜さん» ありがとうございます！コメント励みになります！ (2019年8月20日 6時) (レス) id: cd5ea6550c (このIDを非表示/違反報告)
夜桜 - すごく続きが気になります。 (2019年8月20日 1時) (携帯から) (レス) id: 6b3eeca1de (このIDを非表示/違反報告)
らずぴす(プロフ) - レイラさん» ありがとうございます！！ (2019年8月9日 20時) (レス) id: cd5ea6550c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：らずぴす | 作成日時：2019年7月22日 21時
