第34話 ページ37
俺は全力で西へ走る。隊服を来て、剣を腰に差して、夜闇を駆ける。
東を見るともう既に日が差し込みそうで、俺は焦る。
蝶屋敷で会った3人が危険な目にあっている。
特に煉獄さん。命が危ないだと……?煉獄さんに致命傷を負わせる鬼は上弦しか居ないはず。
ふと頭を過ぎったのは猗窩座だった。
俺を連れて帰るのに失敗し、次の策に出たんだろう。
「っ、煉獄さん……」
どうか無事で居てくれ。その一心で俺は走った。
・
俺がその現場に来れたのは鴉から連絡が来て三十分後だった。
目の前に映っているのは腰が抜けた3人と逃げる猗窩座。それと────
血塗れで腹部に大きな穴が空いている煉獄さんだけだった。
「…………れんごく、さん……?」
息が詰まる。視界が歪みクラクラとする。どっからどう見ても煉獄さんはもう……
その事実を受け入れたくないと、頭の中で否定するも、どこかで分かってしまう煉獄さんの死。
俺は反射的に逃げている猗窩座に追いつき投げ飛ばす。猗窩座はうっ、と声を上げ地面にめり込む。もう、自分がなにをしているのかも分からなかった。
猗窩座は俺を見るなりニヤリと口角を上げ、口を開いた。
「お前が素直に来ると言わないから杏寿郎が命を落としたんだ。お前があの時来ると言っていたら、少しは変わっていたかもなあ。全部、ぜーんぶ、こうなったのはお前のせいだよ。A。
Aのせいで1つの命が失われた。そんなお前が鬼殺隊に入れると思うか?」
「俺のせい……俺のせいだ。俺が……俺が……」
猗窩座の言葉はすんなり頭に入ってきて、心を崩していった。
そうだ、俺のせいだ。俺が鬼殺隊になんて居場所を求めたから……
本当は、泣き叫びたかった。喉が枯れるまで叫び続けて、うずくまっていたかった。
目の前の此奴を斬って、自分の首も斬りたかった。でも、俺は違う行動をとった。
────自分の気持ちに嘘をついて。
俺は目から溢れる涙を無視して猗窩座を睨み、口角を上げた。
そして、静かに口を開いた。
「俺を、……鬼舞辻の所へ連れて行け。」
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らずぴす(プロフ) - 雷雅さん» ありがとうございます!頑張ります! (2019年8月29日 20時) (レス) id: cd5ea6550c (このIDを非表示/違反報告)
雷雅 - 更新頑張ってください! (2019年8月29日 19時) (レス) id: e8ca574508 (このIDを非表示/違反報告)
らずぴす(プロフ) - 夜桜さん» ありがとうございます!コメント励みになります! (2019年8月20日 6時) (レス) id: cd5ea6550c (このIDを非表示/違反報告)
夜桜 - すごく続きが気になります。 (2019年8月20日 1時) (携帯から) (レス) id: 6b3eeca1de (このIDを非表示/違反報告)
らずぴす(プロフ) - レイラさん» ありがとうございます!! (2019年8月9日 20時) (レス) id: cd5ea6550c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:らずぴす | 作成日時:2019年7月22日 21時