4話 ページ5
あれから11年。俺は立派な青年になっていた。
見た目も自分で言うのもあれだが……それなりにかっこいいと思う。
特に変わったことをする訳でもなく、ただただ漱石じぃちゃんと散歩をして、ご飯を食べて寝る。これは日課と化していた。あとはじぃちゃんにそこそこ護身術を教えて貰い、俺のモブライフは充実していた。
友達?……もちろん出来ていない。
家が山の上ということもあり、人に会う機会がまず少ない。じぃちゃんのお客さんがたまに来るが、喋れないでいる。
話しかけて、何コイツ?いきなりなんなん?とか言われたら心が折れる所ではない。
泣き叫ぶことになる。
そんなこんなで俺の充実したじぃちゃんとの生活は終止符を打つことになる。
「今日はAに大事な話があるんじゃ。」
なんとなく、雰囲気的に嫌な予感がした。
おれ、なんかしたっけ?
不安が渦巻く中、はーいと短く返事をしじぃちゃんの所へ向かう。
「お前はそこそこ強くなったし、何よりもう16だ。もうひとり立ちせねば行けん。」
「嫌だああああああああああああ!」
嫌というな。とじぃちゃんの一言で部屋が静寂と化す。まじかよ、嫌だよ。俺じぃちゃんいなかったら独りになっちゃう……もうあんな思いは嫌だ。
「A、お前は自覚してないだろうが相当強いぞ。さすが儂の孫じゃ。それ故大丈夫じゃ。
抵抗したって無駄だからな。儂はしばらく姿を消す。また会った時に成長した姿を見せてくれるのを期待してるぞ。」
と、じぃちゃんは一気に言って後ろに跳躍し、山の中に消えてった。嘘だろ……俺のモブライフが……てかじぃちゃんタフすぎだろ。
そう思った俺であった。
……本当にこれからどうしよう。
414人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
らずぴす(プロフ) - *ふわ*さん» ありがとうございます!とっても嬉しいです!!更新頑張ります! (2019年5月1日 15時) (レス) id: cd5ea6550c (このIDを非表示/違反報告)
*ふわ* - 初コメ失礼致します!主人公くんの性格その他もろもろ込みでこの作品のファンです!!更新頑張ってください!応援してます!! (2019年4月30日 20時) (レス) id: 18cb4fa1f4 (このIDを非表示/違反報告)
らずぴす(プロフ) - 薙(nagi)さん» ありがとうございます!そう言って貰えて嬉しいです! (2019年4月28日 21時) (レス) id: cd5ea6550c (このIDを非表示/違反報告)
薙(nagi) - 好きです((設定とか主人公の立ち位置が好みです!もう産まれてきてくれてありがとう!(?) (2019年4月28日 19時) (レス) id: ea3376027d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:らずぴす | 作成日時:2019年4月19日 19時