11話 ページ12
「え、は、友達?!」
そうだよ、とくすくす笑う名探偵さん。突然のこと過ぎて俺は漫画の中の人物だったら目をグルグルにしてる事だろう。名探偵はビシッと指を俺の方に向ける。
「君と友達になりたい理由は二つある!一つ目は単に面白そうだったから!」
「は、はあ……」
こんな無邪気な人が俺と友達になりたいだって……?光栄すぎて地面に這うぞ。
そしてふたーつ!と名探偵は続ける。
「……僕の事を呆れたり、避けるような目をしなかったから。」
成程、この名探偵さんも苦労してるんだな。そうか、と俺は呟く。
名探偵さんはまた笑顔に戻り俺に一枚の紙切れを渡す。
「はい、これ!困ったことがあったらここに連絡して!どんな事件も、この名探偵、江戸川乱歩が解決しちゃうぞ!」
なんて言うか、太陽が似合う人だ。江戸川乱歩か……覚えておこう。
「俺はA、十六歳だ。よろしく。」
「あ、なーんだ僕より年下じゃない。てっきり年上かと思ってた!あ、乱歩でいいよ!僕もAって呼ぶから!」
名前呼び……俺が憧れたことの一つ。素直に嬉しいぞ俺は。嬉しすぎて空飛べそう。
……じゃなくて年上?え、俺よりこの天真爛漫で天衣無縫なこんな子が?嘘だろ。
「ふふっ、本当だよ。まあ、だからといってどうでもいいけどね!」
考えを見抜かれた。乱歩も随分と頭がいいようだ。
「随分と頭がいいな。」
「うん!何せ僕の異能力は【超推理】!どんな事件も人目見ただけで解決する!」
異能力。聞きなれた言葉に驚く。こんな身近に異能力者がいるなんて……俺の時代は異能力者は蔑まされ、否定されてたものだが……時代が変わったな。
「世界がひっくり返るような異能だな。」
「お兄さん異能力知ってるの?」
ああ、と俺は言葉を紡ぐ。知ってるも何も俺は異能力者をまとめあげる王だったからな……
自分の黒歴史を思い出すのはやめよう。
「へぇ。益々面白いね!君。」
背中をバンバンと叩かれる。痛いが乱歩なりのスキンシップだと考えれば笑みがこぼれる。
……本当にこの人は歳上なのだろうか。弟、否子犬に見える。
「もー!A僕の事子犬だと思ったでしょ。僕からは逃げられないぞ!」
ぷくーと頬を膨らませる乱歩を見てまた、笑みがこぼれる。嗚呼、友達というのはいいな。
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らずぴす(プロフ) - *ふわ*さん» ありがとうございます!とっても嬉しいです!!更新頑張ります! (2019年5月1日 15時) (レス) id: cd5ea6550c (このIDを非表示/違反報告)
*ふわ* - 初コメ失礼致します!主人公くんの性格その他もろもろ込みでこの作品のファンです!!更新頑張ってください!応援してます!! (2019年4月30日 20時) (レス) id: 18cb4fa1f4 (このIDを非表示/違反報告)
らずぴす(プロフ) - 薙(nagi)さん» ありがとうございます!そう言って貰えて嬉しいです! (2019年4月28日 21時) (レス) id: cd5ea6550c (このIDを非表示/違反報告)
薙(nagi) - 好きです((設定とか主人公の立ち位置が好みです!もう産まれてきてくれてありがとう!(?) (2019年4月28日 19時) (レス) id: ea3376027d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:らずぴす | 作成日時:2019年4月19日 19時