14話 ページ15
翌日、今日は予定があるので川岸には行けなくなってしまった。とても残念。
その用事というのは武器の調達だ。若し俺が全異能を使えると皆に知れ渡ったら俺の首を狙いに来る輩共で溢れかえると思う。
転生前、あれは俺が全異能を使えると民衆に知れ渡った時。当時の俺は事の危うさも知らずに
俺の家犬飼ってるんだぜ的なノリでカミングアウトしてしまった。その情報は瞬く間に世界に知れ渡り、何度も言うが気づけば王だ。当然、俺を暗殺しようとしてくる奴らも沢山いて……
まぁ、過去は振り返らない主義なんでな。これくらいにしとこう。
入り組んだ路地を歩いていって、行き止まりのところに武器屋の看板が遠慮がちにぶら下がっているところを見つけた。看板の板はボロボロで«万事武器屋»という店の名がが«万事屋»に見えてしまう。
勘違いして入ってく者が現れそうだな。
そもそもこんな路地に人が入るか……だが。
「し、失礼しまーす。」
俺は小さく呟き、扉を開けた。鉄の錆びた音がし今にも壊しそうで怖かった。
店の中を見渡してみると、古い感じの雰囲気だが悪くない。
それより店の人は……
「いらっじゃいまぜ、ごじゅじんさま。」
「うおっわ!」
気づけば俺の目の前にシワシワで入歯が喋る度に外れる個性的すぎるおじいさんがたっていた。
「武器を買いたいんだが……どれがいいんだ?」
「え?なんだって?」
「武器を買いたいんだが……」
「お昼ご飯なら冷蔵庫じゃぞ。全く近頃の若者は全然わかっとらんわい。」
……埒が明かない。あひゃびゃびゃと入歯をかちかちと鳴らし笑う爺さんに諦めを覚える。
「ありがと……ごじゃいましゅっふぁ!」
「あ、嗚呼……」
やはり最後も爺さんは期待を裏切らない。とうとう入れ歯が宙を舞った。……綺麗なほどに。
俺は結局旧式の銃を三本、小刀、サバイバルナイフを1本ずつ買った。代金は少し多めに払っといた……
誰かそのお金で彼を老人ホームに入れてやってくれ……
でもまあ、これで多少異能力のことは偽造できるだろう。多分。
415人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
らずぴす(プロフ) - *ふわ*さん» ありがとうございます!とっても嬉しいです!!更新頑張ります! (2019年5月1日 15時) (レス) id: cd5ea6550c (このIDを非表示/違反報告)
*ふわ* - 初コメ失礼致します!主人公くんの性格その他もろもろ込みでこの作品のファンです!!更新頑張ってください!応援してます!! (2019年4月30日 20時) (レス) id: 18cb4fa1f4 (このIDを非表示/違反報告)
らずぴす(プロフ) - 薙(nagi)さん» ありがとうございます!そう言って貰えて嬉しいです! (2019年4月28日 21時) (レス) id: cd5ea6550c (このIDを非表示/違反報告)
薙(nagi) - 好きです((設定とか主人公の立ち位置が好みです!もう産まれてきてくれてありがとう!(?) (2019年4月28日 19時) (レス) id: ea3376027d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:らずぴす | 作成日時:2019年4月19日 19時