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１０粒 ページ12
爆豪side
校門の前に突っ立っていると、やっと姉貴が来た。
『あ...勝己』
姉貴の頬には泣いたあとが残っている。
目線を落とし、首もとを見たが、...メダルは、なかった。
『ごめん、負けちゃった』
姉貴は無理して笑って見せた。
勝「...」
首につけたままだった金色のメダルを外し、姉貴の首にかけた。
勝「やる。」
『え...でも...』
勝「やるっつってんだよ！俺はそんな不本意なメダル欲しかねーからな！」
『...』
勝「だから、泣くんじゃねえ」
姉貴はポカンとしている。
さっさと歩き出すと、追いかけるように姉貴も歩き出した。
俺にとって最初の体育祭、
姉貴にとっては最後の体育祭が終わった。
少し振り返ると、姉貴の泣いたあとの、澄んだ目が、夕陽を映してオレンジ色に染まって＿＿＿＿...
.
...綺麗だった。
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作者名：とんかつ | 作成日時：2018年7月2日 16時
