帰省４ ページ22
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｢冗談だろ？｣
｢心配ですか？よくお確かめを｣
シャングリラ―壁内でも最大の花街にかまえる最高級妓楼だ。ノアから提示された3名の妓女は三姫と呼ばれる一晩で一年分の金が尽きると噂の売れっ子たちだ。
高給取りの上官たちですらなかなか手を出せない妓楼に、たかだか調査兵の小娘に伝手があるとは考えられない。全く信じがたいといった様子のテオにノアは口角をわずかに緩ませる。
｢なんだ？｣
｢信じられないのなら仕方ありません｣
お時間をとらせてしまい申し訳ありませんでしたと一礼しジャケットの内側をごそごそと漁りだす。
｢他をあたるしかないようですね、非常に残念です｣
引っ張り出したノアの手には櫛飾りと指輪、サファイアとルビーの施された一点物だ。明らかにテオよりも高い位からの賜り物である。
上流階級の人間にはそれなりに精通していると自負していたが俺が知らないだけでこいつはかなりの女なのではないか。だとすればこの話もあながち、いや胡散臭すぎる。でももし本当だったら―
今までにない速度で繰り広げられた脳内会議はノアがそそくさと紹介状を回収することで中断された。それではと立ち去ろうとする彼女を慌てて呼び止めたテオは頭を押さえながら肩を落とした。
｢…どうなさいますか？｣
軍配はノアに上がったのである。
＿＿＿＿＿＿＿＿
｢よかったの？｣
書類から顔を上げることなく話し続けたエルヴィンにハンジは問う。
彼女と入れ違いに団長室を出ていったノアは普段より浮ついた声でハンジに挨拶をし、踊るような足取りで去っていった。あれでもいつもどおりのつもりらしい。
｢3日だけだ。問題ないさ｣
｢そうはいってもあれ、絶対わかってないよ｣
｢そのようだ｣
実際ノアからの報告にエルヴィンはあえて｢おめでとう｣と返したのだが本人は何のことやらといった風で、お土産を買ってきますと暢気に笑っていたのだ。
｢悪いヤツだねぇ〜エルヴィンったら、かわいそうなのはあの子だってのに｣
｢さて何のことだかわからないな｣
やっと書類を片付け終わったエルヴィンは悪戯な笑みをこぼすハンジを流し見た。ため息をつくが彼の口元もまたふるふると緩んでいる。
｢というわけでノアならもう行っちゃったよ｣
｢あ？｣
一人外出の用で本部から離れていたリヴァイがようやく帰り着いたのはノアがすでに出立したあとのことだった。
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りこまる - あと気になったんですけど、主人公の容姿ってどんな感じですか✨ (1月12日 2時) (
レス) @page18 id: 9a77c9521c (このIDを非表示/違反報告)
りこまる - コメント失礼します、少し遅れましたけど新年あけましておめでとうございます，小説書くのお上手ですね、応援しまいます！ (1月12日 2時) (レス) @page18 id: 9a77c9521c (このIDを非表示/違反報告)
寿司(プロフ) - こめつぶさん» コメントありがとうございます。お褒めの言葉、とても励みになります。これからもよろしくお願いします。 (12月14日 23時) (レス) id: 43549444da (このIDを非表示/違反報告)
寿司(プロフ) - 琴さん» コメントありがとうございます。うわー…完全に捻じれていました、ご指摘いただきとても助かりました。今一度推敲を徹底しますね。 (12月14日 22時) (レス) id: 43549444da (このIDを非表示/違反報告)
琴(プロフ) - コメント失礼します、この素敵なお話に出会えて幸せです、これからの展開を楽しみにしています！(余計だとは思いますが宴10のページ色的にジゼル様が火とルビーでオディリアが風とエメラルド…？あれ…？と思っております) (12月14日 22時) (レス) @page10 id: 29906faa0b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：寿司 | 作成日時：2023年11月29日 18時
