帰省３ ページ21
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後宮内は基本男子禁制である。
外にいる男性は女官に会いに来ることができない。その代わり特別な許可さえあれば女官と相まみえることができる。それは先日の園遊会のような行事が執り行われる場合、そしてその宴で配る装飾品を利用した時だ。いくつかある方法のうちの一つである。
ノアたち兵士には縁のない話だと思っていたがそうでもなかった。
後宮の女官から呼びかけることができるように、アクセサリーをくれた人間が王都で働く者ならばスカウトを受けることができるというのだ。もし契約が成立すれば現存の年季を破棄することができる権利も生まれ、これを兵士たちは年季切りと呼び内地での順風満帆な生活に憧憬を抱いている。
駐屯兵時代に易々と手に入れた連続休暇は追い出し部屋所属所以だったことをノアは移籍してきて初めて実感した。常に人手不足の調査兵団では猫の手も借りたいほどの繁忙期が定期的に訪れる。新兵であるノアも例に漏れず、休みなく動き続けることがままある。
実際年末が近づいてくると総決算であわただしくなるらしいし、実家に戻るには今がチャンスでルシャナから語られたその方法をノアが利用しない手はないというわけだ。
｢それで？｣
｢身元を保証していただければよいのです｣
何の感慨もなく言ってのけるノアにテオは頭を掻く。
本来の意味を分かっているのかと問いただしたい。豪胆にもこの小娘は自分の里帰りの為にテオを使いたいようだ。
｢つまり何だ？嬢ちゃんの帰省のために俺はうまく利用されろと？｣
頬杖をつきノアを睨めつける。好青年だと評判のテオは威圧感も持ち合わせている。部下を叱ると関係ない者までびくつきながら謝ってくる程度には。
しかし恥知らずなノアは顔色一つ変えることなくはい、と頷くのだ。
｢もちろんタダとは言いません。こちらもそれなりにお礼ができないかと｣
そういうとノアは1枚の紙を差し出した。紹介状のようで、高級紙に女の名が3人分書かれている。目を通したテオの目が見開かれる。
彼女たちの名を彼はよく知っている、否、テオ以外でも男ならば知らない奴はいないくらいの大物だ。
｢シャングリラで花見はいかがですか？｣
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りこまる - あと気になったんですけど、主人公の容姿ってどんな感じですか✨ (1月12日 2時) (
レス) @page18 id: 9a77c9521c (このIDを非表示/違反報告)
りこまる - コメント失礼します、少し遅れましたけど新年あけましておめでとうございます，小説書くのお上手ですね、応援しまいます！ (1月12日 2時) (レス) @page18 id: 9a77c9521c (このIDを非表示/違反報告)
寿司(プロフ) - こめつぶさん» コメントありがとうございます。お褒めの言葉、とても励みになります。これからもよろしくお願いします。 (12月14日 23時) (レス) id: 43549444da (このIDを非表示/違反報告)
寿司(プロフ) - 琴さん» コメントありがとうございます。うわー…完全に捻じれていました、ご指摘いただきとても助かりました。今一度推敲を徹底しますね。 (12月14日 22時) (レス) id: 43549444da (このIDを非表示/違反報告)
琴(プロフ) - コメント失礼します、この素敵なお話に出会えて幸せです、これからの展開を楽しみにしています！(余計だとは思いますが宴10のページ色的にジゼル様が火とルビーでオディリアが風とエメラルド…？あれ…？と思っております) (12月14日 22時) (レス) @page10 id: 29906faa0b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：寿司 | 作成日時：2023年11月29日 18時
