帰省２ ページ20
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テオが部下から手渡されたのは簡素な封筒だった。
中には羊皮紙が1枚と腕輪が1つ。緑色の石のついたそれは以前幾多も配った内の一つだ。義理な上、後宮と違い兵士の身分であるテオにとってもはや形式上の行いと化していることは暗黙の了解で、本気にされることはないと高をくくっていた。
この純粋な女性に恥をかかせてしまうのは悪いが本気にされるのも困りものだ。しかし美人だったらもったいない。
『調査兵団 ノア』
ぶっきらぼうな字で綴られた文の右下に書かれた署名を見て思い出す。女官どころではない、毒入りのスープを至極美味そうに飲んでいたあの女だ。
「
さてどう断ったものか。参ったなと頭をかいて断りの言葉を考えた。
＿＿＿＿＿＿
文を受け取ってから数日後、テオはエルミハにある支部で呼び出し人を待っていた。はめごろしの窓に、机と椅子が中央に置かれただけの質素な部屋は普段王都で悠々自適に働いているテオにとって居心地の悪い空間である。
扉が叩かれ、痩せた小柄な女が顔を見せた。固く結った三つ編みをさげたそばかす顔の彼女にテオは自身の目を疑う。
｢誰だ？お前｣
｢よく言われます｣
｢化粧で化けるタイプか」
｢それもよく言われます｣
淡々と返してくる彼女が手の平で鼻の周りを覆ってみせると見覚えのある顔が現れる。
全くあの時の艶っぽい毒見役と姿がつながらないが何となく察せている自分がいるから不思議なものだ。
｢俺を呼び出すなんて、どういう意味か分かってるのか？｣
｢ええ、実家に戻りたいと思いまして」
腕を組み足を組み偉そうに座りなおすテオに対し、小娘は物怖じする様子も見せず胸を張って答えた。
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りこまる - あと気になったんですけど、主人公の容姿ってどんな感じですか✨ (1月12日 2時) (
レス) @page18 id: 9a77c9521c (このIDを非表示/違反報告)
りこまる - コメント失礼します、少し遅れましたけど新年あけましておめでとうございます，小説書くのお上手ですね、応援しまいます！ (1月12日 2時) (レス) @page18 id: 9a77c9521c (このIDを非表示/違反報告)
寿司(プロフ) - こめつぶさん» コメントありがとうございます。お褒めの言葉、とても励みになります。これからもよろしくお願いします。 (12月14日 23時) (レス) id: 43549444da (このIDを非表示/違反報告)
寿司(プロフ) - 琴さん» コメントありがとうございます。うわー…完全に捻じれていました、ご指摘いただきとても助かりました。今一度推敲を徹底しますね。 (12月14日 22時) (レス) id: 43549444da (このIDを非表示/違反報告)
琴(プロフ) - コメント失礼します、この素敵なお話に出会えて幸せです、これからの展開を楽しみにしています！(余計だとは思いますが宴10のページ色的にジゼル様が火とルビーでオディリアが風とエメラルド…？あれ…？と思っております) (12月14日 22時) (レス) @page10 id: 29906faa0b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：寿司 | 作成日時：2023年11月29日 18時
