宴 ページ1
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｢はい、これ｣
ペトラが差し出したのは真新しいドレスだ。
何のことやら分からないといった様子のノアは、ペトラが前で丈を合わせているのを見つめる。深青一色のそれは決して豪奢ではないものの上品な印象を受ける。ランタンのように膨らんだ袖となだらかにストレートに広がるスカートのラインが美しい。しかし。
｢これ、なんですか？｣
四角にくり抜かれた襟ぐりは鎖骨まで大胆に見えるデザインで、胸元の開いた服など着たことのないノアは明らかに嫌そうな顔をした。
｢何って、園遊会に着ていくのよ｣
｢え、んゆー？｣
首を傾げるノアにペトラはつまびらかに教えてくれた。
年に二度、王宮の庭園で社交会が開かれること。その主な目的は3兵団の意志統率と中央とのつながりを強めるためであり、この会においては兵団の幹部たちもほぼ同等の待遇を受けること。
そして妃のいない王は後宮の上級妃を連れてくることになっており、レヴィアとジゼルの出産の関係で今回は4夫人全員が参加となるらしい。
｢それとたまに官が挨拶に来るからノアは笑顔も忘れずにね｣
｢それって、全員参加ですか…｣
げぇ、と引きつった表情をするノアの両肩をがつりと掴んだペトラは先ほどまでの人好きのする愛らしい顔を歪めて鼻息荒く答えた。
｢あったりまえでしょ！今回は3兵団と王家関係者のそろい踏みよ、心してかからないと！！｣
これは戦いなの！！と意気込むペトラに肩をがくがくと揺らされながら、ただでさえ人の少ない調査兵団で新人が慣れないことを理由にして辞するわけにもいかないかと諦念を抱いた。
加えてそのような公に催される宴ではおそらく―
｢ノア、ちょっといいかな？｣
ノアを手招きするのは団の長だ。ノアの勘は当たる、困ってしまうくらいに当たってしまうのだ。
エルヴィンに連れられていくノアにペトラはとどめをさした。
｢当日はちゃんとお化粧もするからね。たまにはそばかすも隠さなきゃ｣
小悪魔的に笑うペトラに引きつる笑顔を返したのは言うまでもない。
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りこまる - あと気になったんですけど、主人公の容姿ってどんな感じですか✨ (1月12日 2時) (
レス) @page18 id: 9a77c9521c (このIDを非表示/違反報告)
りこまる - コメント失礼します、少し遅れましたけど新年あけましておめでとうございます，小説書くのお上手ですね、応援しまいます！ (1月12日 2時) (レス) @page18 id: 9a77c9521c (このIDを非表示/違反報告)
寿司(プロフ) - こめつぶさん» コメントありがとうございます。お褒めの言葉、とても励みになります。これからもよろしくお願いします。 (12月14日 23時) (レス) id: 43549444da (このIDを非表示/違反報告)
寿司(プロフ) - 琴さん» コメントありがとうございます。うわー…完全に捻じれていました、ご指摘いただきとても助かりました。今一度推敲を徹底しますね。 (12月14日 22時) (レス) id: 43549444da (このIDを非表示/違反報告)
琴(プロフ) - コメント失礼します、この素敵なお話に出会えて幸せです、これからの展開を楽しみにしています！(余計だとは思いますが宴10のページ色的にジゼル様が火とルビーでオディリアが風とエメラルド…？あれ…？と思っております) (12月14日 22時) (レス) @page10 id: 29906faa0b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：寿司 | 作成日時：2023年11月29日 18時
