30.Ki side ページ32
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ニカのやつ、うまくやってっかなぁ…。
帰り道、タバコをふかしながら呼び出したタクシーを待つ。変装はいつも通りの大版のマスクに黒いハット。○○とかによく後をつけられてるし、どうでもいいネタをスクープされるけど、ほんと暇だよなぁ。こんな大事な時期に俺を追ってもなんも出てこねーよって思いながら毎回スルーしてる。
何も出てこないのは俺のスキルが上回ってるから?、だけど。
そもそも外で密会なんかする奴はいねーよな。
でも今日はいないみてーだ。
この仕事も長い。気配で大体の人数とか配置は気がつくようになった。
そして、
ふふっ…
さっきのまいこちゃんのことを思い出して1人、笑みがこぼれる。
ずいぶんな慌てようだったねぇ笑
あれは相当ニカのこと好きなやつだ。
いじればいじるほどボロが出る。
当事者はきっと気づいていないだろうけど笑
そりゃ本当に好きな人の好きなところ、素直にバンバン言えたら、それは相当度胸のある人か、心の底ではそんなに好きとは思ってない人、だからね。
でもあの2人…
鈍いよなぁ、確実にこじれそうだ。見てて焦れったくなる。
ニカが最近想い馳せてる相手が誰かだか全くわからねーけど、あのニカの照れ方といい言動といい、
まいこちゃん、チャンスあるんじゃねぇの?
さてと、生意気だけどかわいい弟くんの恋路、ちゃんと見守ってやりますかねぇ?
ライトが点滅するのが見えた。
タバコの火を消して、頭の中で文章を組み立てながら、滑り込んできたタクシーに乗り込む。
『…………………』
送信、と。
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作者名:greengrün | 作成日時:2019年5月19日 0時