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「おはようございます、児玉さん。」


眠い目をこすりながら、しかし上司の前だ。

しっかりワイシャツの襟を正して、ぴちっとスーツを着て、

羽田空港で朝の挨拶を交わした。


「あぁ。おはよう。今日は突然で悪かったな。
お詫びに商談が終わったら、一杯奢るよ。」


申し訳なさそうに児玉さんが言うから、

台湾料理や観光を楽しみにしていた、
とか、北山君が以前番組でロケしていたガチャ巡り、
ホテルから近いからできるかも、

なんて内心ニヤついていたなんて言えなくて、
でもこっそり心の中でガッツポーズをしながら

「そんな、申し訳ないですよ。本日も、宜しくお願い致します。」

今日も良い部下を演じた。




無事に商談を終え、
まあ無事といっても、もうすでに日は沈み切っていた、が。


「大分手こずったな今回は。お疲れ佐伯。
よくやってくれたよ。飯は、夜市でいいか?」


手こずったと言いつつも満足そうだし、
どこか機嫌のいい上司を見て安心する。

夜市か、私すでにリサーチ済みですよ〜。とは言えないので、

「お疲れ様です。いえいえ、私は何も。夜市、いいですね!ぜひ行きましょう。」


臭豆腐の臭いへの恐怖から、
私服に一度着替え、
再度ホテルのロビーで集合することに。


しかし...

「悪い佐伯、本社から電話だ。ちょっと長引きそうだから、今日は悪いが、
明日帰国前にうまい飯奢るで勘弁してくれ。」


「わかりました。お疲れ様です。児玉さんも無理しすぎず。今日のことは全然お気になさらず」


本社からの電話ならしょうがない。物わかりのいいフリして、

でも夜市を諦めるなんて選択肢は私にはなくて。
食いしん坊なもんでして。


一人、夜の街に繰り出した。


この選択があっていたのか間違っていたのか、
まだわからないけど、


少なくとも私は、この時諦めないでいてよかったって、
思ってる。そう信じたい。




ずっと、会いたかったよ...

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設定タグ:Kis-My-Ft2 , 二階堂高嗣 , 北山宏光   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:greengrün | 作成日時:2019年5月19日 0時

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