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『19時に○○集合ね!二階堂で予約してあるから。』
昨日は大寝坊して、さらに緊張で眠れなかった。
そして今日がその約束の日。フレンチが良いって言ったのに結局焼肉じゃん(笑)
でもこのお店、私のようなしがないOLがポンポンいけるような場所じゃないよね、さすがアイドル様。ありがとうございます!
「服、どうしよ...」
現在16時。待ち合わせまでは3時間あるけど、あーでもないこーでもないって、さっきから鏡の前に立ち続けている。
この間は夜だったし、外だったし、突然だったし…
スカート、は気合入りすぎかな?
でもこれで会うの最後にするんだから、少しくらい気合入れてもいいかな。
白熱した脳内討論会ののち、白いブラウスにキレイめのライムグリーンのタイトスカートを選んだ。冬コンに着ていこうとしていたやつだけど。ひと足先にお披露目ということで。
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「二階堂で予約されていると思うんですけど…」
「はい、お待ちしておりました。こちらへどうぞ。」
驚いた。めちゃくちゃ高級店だ。いや、高いのは知ってたけど。こんなに内装まで高級とは恐れ入った...全席個室っていうのも衝撃的だ。私なんて、サラリーマンしかいないような牛丼屋にも天丼にも一人で突入してるっていうのに。
「お待たせ、まいこちゃん。」
ニカの登場。安定の某ブランドキャップに漆黒のサングラス。
謎デザインのセットアップに雪駄にセカンドバッグ。
やっぱり取り立ての人だよ。
慌てて立ち上がると、ひょっこりもう一人顔をのぞかせた。
なんかみたことあるハット。
あ、この間台湾でニカが被ってたやつだ。
「うーす。初めまして、まいこちゃん?」
???
どうしよう、鼓動が…。
だって、目の前にいるの、伊達メガネにハットの、北山さん…!?なんで!!?
「こ、こ、こんばんは、初めまして。」
「まいこちゃん、てんぱり過ぎ、ウケる!!」
なんか勝手に大爆笑してるニカは置いておいて、私はもう一人のアイドル様に見惚れていた。
「本当に小さいんですね…」
「ん?誰が小さいって?」
「あ、いやごめんなさい!かお!顔が小さいなぁって。」
「ミツ、いくつも年下の女の子にフォローされちゃったね、クククっ」
「違いますよ!ほら、ニカと並ぶとこんなに!あ...」
ニカに睨まれているのに気が付いて私はそこで言葉を止める。
あ、でも、自然に話せてる、私。
もしかしてふがいなくも前回泣いたから、ニカ、配慮してくれた?
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作者名:greengrün | 作成日時:2019年5月19日 0時