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「台湾かぁ。そういえば行ったことなかったよなぁ。寒いのかな、暖かいのかな。」


11月 台湾、検索、と。
わぁ、中国語出てきた...

慌ててもう一度調べなおす。

平均20度かぁ。割と暖かいんだな。

基本スーツだから服装を気にすることもないのだが、インナーとか大事だよね、一応女子だし。

ここで〈一応〉とかつけちゃう辺り、私の女子力のなさを露呈しているような気がする...
まあしょうがないか。



一通り荷造りを終えた日曜の夜、

私は無意識にテレビをつけていた。


「充電、充電、と。」

明日の集合時刻が早いのは分かっている。
でもどうしても、私にはやらまなきゃいけないルーティーンがある。



「キスマイスーパーブサイク!!」

北山くんの明るい掛け声ではじまるバラエティー番組。
その録画を再生したのだ。
そして、

私はその右端にいる金色短髪の彼に一瞬で目が釘付けになった。


「ニカ...会いたいよ...」


ゲストの女性に楯突いたり、いじられたり、
隣の千賀くんと見つめ合って爆笑したりして全力でバラエティーを楽しむ彼のその笑顔に、

目を奪われたのはもう三年も前のことだ。


クスクス...
今回も最大級にやらかしちゃってるね。ニカ。


不器用な私は、不器用な彼の愛情表現をみると
なぜか元気がもらえて。
ブサイクブサイクと評されながらも我が道を通す真っ直ぐな不器用さに
すごく惹かれて。


バラエティーの彼に恋をした。


でも彼の歌声に惹かれたのは、


たぶん十年も前の話。
まだ私が中学生だった時のこと。


あの時の彼とテレビの中のキミが


まさか同一人物だなんて、思いもしなかったけど...



あの時の話はまた改めて。



とにかく私はもう十年も、彼に恋をしている、みたい。


だから、
私のルーティーンはキスマイを見ること。
彼らの、特にニカの笑顔と笑い声をで、エネルギーを補充する。


好きな人ができたとき、無意識にその人の背中を追ってしまうのと同じ、だよね。

俗にいうオタクに属することは分かっているけど、
冷静になったらちゃんと現実を見なきゃいけないことも分かっているけど。
でも、


もう少しだけ、好きでいさせて。


その日はキスブサ一本分だけ脳にチャージして、
眠りについた。



明日は五時起きだ。

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設定タグ:Kis-My-Ft2 , 二階堂高嗣 , 北山宏光   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:greengrün | 作成日時:2019年5月19日 0時

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