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好きで好きで、恋い焦がれていたニカに抱きしめられてる。これは一体どういう状況?

夢かな?幻かな?もうわかんないや…


「あの、離してくだ、さい…やっぱり天下のアイドル様が、いちファンにこんなことしちゃダメです。」


精一杯の冷静さと理性を保ってニカに伝える。


「はい、ペナルティ、3。あっという間に溜まっていくね、まいこちゃん。ふふっ。じゃあ次の質問ね?今、好きな人いる?」



私の涙の理由には触れずにいてくれた。満面の笑みで、デリカシーもクソもない質問で、もしかして私を元気づけようとしてくれてる?不器用なりのニカの優しさなのかな。


ありがとう、ニカ。整理するにはもうちょっと時間がかかるから。今日は作られた私で許して?

ニカの腕の中からスルッと抜け出して答える。



「もちろん、二階堂さん、だよ?」


「もう!からかってるの?笑」


「そう言わせたかったんじゃなくて?私はすっかり誘導尋問かと…」


「そんなわけないでしょ!!」



そう言ってニカは私の肩に手を置く。


「ん。…笑顔になったね、まいこちゃん。敬語も消えたことだし、今日のところは退散しますか。」


「ありがとう、ニカ。」


「絶対!連絡するからブロックしないでね!ぜったいだよ!今度必ずお金返してお礼するからね!」


「倍返しで期待しておくね。」


「ふふっ、任せて。じゃあね、おやすみまいこちゃん」


「おやすみなさい。お仕事頑張って。」






ニカが部屋から出ていった途端、ペタッと玄関扉の前に座り込んだ。膝を抱えて嗚咽を抑える。
よく耐えた私。

と言いたいところだけどついついニカの前で涙を晒してしまった…


今日は一体何があったんだろ…
頭ごちゃごちゃで意味がわからない。


台湾に来て、
仕事で契約結んで(お手伝いだけ)、
夜市に1人で乗り込んで、
変なマフィア発見して、
語学と金銭面で助けてやって、
そしたらそれがニカで、
それがニカで、
大好きなニカで、、



でも私のこと、覚えてなかった。


10年も前のことだから。覚えてなくても仕方のないことだとは思う。でも…


期待なんかしちゃいけなかったな、、

次どんな顔して会えばいいんだろ…

というか本当に会えるのかな…?



大好きな人との再会は、ちょっぴりほろ苦い思い出になった、みたい。



その日の夢には、あの頃のニカがでてきた。あの日のソライロ、あの日の夕空…

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設定タグ:Kis-My-Ft2 , 二階堂高嗣 , 北山宏光   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:greengrün | 作成日時:2019年5月19日 0時

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