片思い1 ページ2
勢い良く兄の部屋の扉を開く。ドアはあまり大きな音を出さなかったが、ベッドの上に居る物体がビクッ！と反応を示した。
……はぁ、なんとなぁくは察してたよ？まだ寝てるって。でも、今日は確か一時間目から体育じゃん。しっかり目を覚まさないとしんどくなるのに……。
「お兄ちゃんー！起きろー！」
布団を掴んでから、べいっと容赦なく剥がしてやる。兄である望月蒼太が、私を恨みがましい目で見てくるが、ガン無視する。こんな時間まで寝てる方が悪いのだ。
「ほら、遅刻するよ？」
「う〜、分かってるけど……。もっと優しく起こしてよ……」
「だってお兄ちゃん、こうしないと起きないじゃん」
思った事を言ったら、お兄ちゃんは図星をつかれたように目を逸らした。最早毎朝の恒例行事だ。私が中々起きて来ないお兄ちゃんを無理やり起こしに行くというのは。
「お兄ちゃん待ってたら遅くなるから、私先に行くね〜？」
そう言いながらお兄ちゃんの部屋を出ようとすると、背後から「えぇ！？」と言う声が聞こえた。
「僕と一緒に行かないの！？」
「……お兄ちゃん、私もう高校生だよ。この言葉の意味わかる？」
お兄ちゃんは何も分かってないように首を傾げる。それにわざとらしくため息をついてから、ハッキリと告げる。
「もう一人で学校行けるんだよ？」
「一人で……一人で！？」
そのままお兄ちゃんはこの世の終わりみたいな雰囲気になってから、「そんな〜っ！」と嘆く。
「この前まで僕の後ろをついて回って来てたのに…！」
「お兄ちゃんの中で私って、中学生ぐらいで止まってるの……？」
そんな兄に呆れながら、さっさと部屋を出る。さっき鏡を見たら、髪型も変な所はなかったし、制服もシワひとつ無かった。この前切ったばかりの髪は未だに慣れなくて、少し違和感がある。
だけど、高校生になったから、新しい自分になるって決めたんだ。もう傍観するだけじゃない。私も物語の登場人物の一人になるって。
兄の声を受け流し、玄関へと向かう。
スニーカーを馴染ませるために二,三回けんけんしてから、玄関のドアをゆっくりと開ける。
「……よし、今日こそは挨拶から話題を膨らませる」
毎日挨拶だけして終わりだ。いや、それだけでも上出来なんだろうけど……。けど、好きな人とはたくさん話をしたいものだ。でも、何を話せば……。あっ、本の話がある。この前私が好きな作家さんが新しい本を出したばかりだ。
続く (更新停止中)
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らむく - お願いします！続きをなるはやでかいてください！ (11月13日 18時) (
レス) id: 481e10731d (このIDを非表示/違反報告)
らむく - 山本幸大推しです！この小説をかいていただきありがとうございます。続き楽しみにしてます！ (11月12日 13時) (レス) @page2 id: 481e10731d (このIDを非表示/違反報告)
七音レイ - 楽しみにしていただき、有難うございます!!コメント初です!! (2019年3月18日 23時) (レス) id: 0bd0893d8b (このIDを非表示/違反報告)
勿忘草(プロフ) - 続きをください〜！楽しみにしてます！ (2019年3月17日 14時) (レス) id: eb2ac99e9f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜池るよ | 作成日時：2018年11月13日 22時
