らしく生きることに映画ver. (ページ24)

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変わらない日常ページ24

それから日が経ち、
文恵から手紙が届いた。

内容は

私不足だとか
彼方はとても学ぶことが沢山あるとか、
学校が気になるとか、

五枚以上の便箋を使って
文恵の思いが濃く綴られていた。

そしてそれは哲也くんにも届いたらしく、

教室で手紙を読む私の隣に来て、
同じように手紙を読んでいた。

私達に届いていると言うことは、
きっと達也くんにも届いているだろう。

私と哲也くんは読み終わると、
お互い手紙の内容は聞かずに達也くんを探しにいった。

哲也「何一人でたそがれてんだよ。」

達也「……ビックリさせんなよ。」

達也くんはあの日、
菊永高校と喧嘩した場所だと言うTCビルの屋上に居た。

そして案の定、
文恵からの手紙を読んでいた。

哲也くんと私は制服のポケットから
文恵からの手紙を出す。

達也「お前らにも？」

哲也「嗚呼。」

達也「何て書いてあった？」

私達は手紙を奪おうとする達也くんの腕をスルッと避けた。

それに達也くんはムッと口を尖らせる。

哲也「誰が教えるか。」

A「達也くんでもダーメ。」

達也「何でだよ。」

哲也「俺とお前はライバル。…だろ？」

その意味の深い言葉に、

達也くんはニッと歯を見せて笑い、
私もフフッと微笑んだ。

すると扉の方からユウキくんと誠くんが
慌てたように駆け込んできた。

ユウキ「やべーよ達也！」

誠「宇賀神の奴らが殴り込みに！」

達也「行くか。」

哲也「嗚呼。」

宇賀神の袴塚さん達は、
本郷くんの時に共闘して、

今回、菊永高校への
アドバイスもしてくれたようだけれど、

今ではもうライバルに戻ったようだ。

私達はそれぞれポケットに
手紙を大事に入れた。

A「あんまり怪我しないでね。」

達也「おうっ！」

哲也「善処するよ。」

達也「………ふざけんじゃねぇぞ！」

達也くんの一声で、
二人は私に手を振りながら
ユウキくん達と共に走っていった。

私はそれを見送ると、
屋上から見える夕日を眺める。

下を見てみれば、
達也くん達が学校の方へ走っていく姿が見えた。

このままじっくり太陽が沈むのを
見るのも良いと思ったけれど、

文恵への返事を書くため、
私はビルから出て自分の家へと足を動かした。