らしく生きることに映画ver. (ページ18)

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本当に大事なことページ18

結花「お話って…、何でしょう。」

私と文恵、沙耶の三人は
講堂に結花さん達を呼び出した。

文恵は私と分かれた後、

哲也くんにきちんと話して、
その会話を聞いていた沙耶にもちゃんと話したらしい。

夜中に沙耶から電話がかかってきて、
笑顔で文恵を見送ることを二人で決心した。

沙耶の話を聞いている限り、
哲也くんも文恵の背中を押すことに決めたようだった。

文恵「私が居なくなったら、Aと一緒に、カトレアのこと、達也くん達のこと、よろしくお願いします。」

文恵の言葉に、
周りに居るのぞみさん達は口元に手を当てて驚いている。

実は昨夜文恵からも電話があって、
私は一際男子と仲が良いので、
文恵が居なくなった後の男子の制御を任された。

私自身きちんと
その役を担えるかどうか不安だが、

文恵の跡を継がなければならないと思い、
電話越しだがしっかりと頷いた。

そして文恵は、
ゆっくりと結花さんに頭を下げる。

結花「…どうして、私に頭下げられるんですか。」

文恵「お願いしたいからよ。」

結花「……私、文恵さんやAさんに負けたくなかった。今まで何処に居ても一番だったし。これからもずっと、そうだと思ってたから。」

A「え…どうして私も？」

結花「お二人は一番に執着して取り合わないでしょう？そんな関係が羨ましくて…、でも何方にも負けたくなかった。」

確かに私と文恵は
一番を取り合ったことがない。

必ず何方かが身を引いたりして、お互いが争おうとしない。

私達の間に優劣なんて言葉は無く、
何方も一番だと思っている。

そんな関係になれたのは、
文恵の親類と、私の叔父が
口癖のように「一番」を声に出していたから。

それに、第二カトレアに移動して、
達也くん達と出会ったから。

文恵「…私もAもそうだった。ずっと"一番でいなさい"って言われて育ったから。」

結花「じゃあ、どうしてですか。」

困惑する結花さんに、
文恵はニコッと笑った。

文恵「第二のみんなと会って、今までとは真逆の価値観があるんだって知ったからよ。あの人達が教えてくれたの。本当に大事なことは何なのか。」

結花「何なんですか？」

文恵「答えは自分で見つけるものよ。」

文恵がそう言うと、
先刻まで困惑して眉間にシワが寄っていた結花さんもニコッと笑った。

それに、私と沙耶も
目を合わせて微笑み合った。