アニメ短編集 2

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そこには、佐藤くんの王子様の衣装を着た
平次の姿が。


『な、ななな、なんで...？！』


動揺を隠せない私。


平｢おい、ちゃんと目ぇ瞑っとけアホ...
劇中やで｣


いやアホはお前やろ！！

...と言いたい所だったが、今は劇を成功
させる事が優先。黙って目をつぶる私。


平｢どうしてこんな事に...！｣


...え？てか何でセリフ覚えてんの？

あ、練習に付き合ってたからか...。

...え？てかなんで平次が出てんの？

佐藤くんは？どこ行ったん？


平｢どうか私のキスでお目覚め下さい...｣


って、そんな事後で聞けばいいか...！

今ラストスパートだもん、絶対失敗しちゃだめ
だから...！まず合図を待って...







ちゅ...








.......手...ではなく、唇に感じる感触...。



目を開くと、目の前の平次の顔。


思わず声を漏らしそうになった。がその瞬間。

平次がさっきより力強く、唇を押し当てて
きて、漏らさずにすんだ...。

良かった、劇を台無しにしなくて...！

...じゃなくて！！！！


平｢...おい、ここで目覚めるんやろ...
ボケーとしとらんでとっとと起きろ｣


は！と必死に思考回路を巡らせる。


『私を助けて下さったのは...あなたなの...？』


なんとかセリフを振り絞って、無事に劇を
終われる事ができた。

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