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27日目 ページ29

教室に入ると、一斉に私に目線が集まる。


私の入院中に席替えをしていたらしく、泉のとなり、沙霧の後ろだった。


『沙霧、おはよう』


「え、あ?A!?」


沙霧は本を読んでいて、私に気づかなかった。


声をかけると案の定驚いた。


「A、もう大丈夫なの?」


『うん、全然。ありがとう』


かわっていない沙霧をみて、こころが暖かくなった。


今まであんまり話して来なかった人たちも、一言、声をかけてくれて、記憶が戻った嬉みをおぼえた。


すると先生が入ってきた。


「さぁ、今週は運動会だ。

Aも帰ってきたことだし、種目決めしなきゃな。

さて、決め方だけど、めんどくさいので火ってに自由に組んじゃってください」


雑だけど、それが生徒たちを乗り気にする。


「ねね、Aさ、一緒に二人三脚やろうよ」


わたしはたてに首を振る。


沙霧はニコッと笑い、頑張ろうね、と呟いた。




(泉は……ふ〜ん、借人競争するんだ……
まぁどうでもいいけど……)

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作者名:みかん | 作成日時:2017年1月30日 18時

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