【男主】傷ミ【チェンソーマン】

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妙な空気が流れる。
俺は変なことは言っていないはずだ。

「おぉ！上がれ上がれ、狭い家じゃが公安に比べたら天国じゃ！」

奥からひょっこりと顔を出すパワー。

「…とりあえず、上がれ」

中に入れてもらうと、上がる前にマキマが買ったお土産を差し出す。

「マキマから早川に」

「マキマさんから…？」

じっと見るだけで受け取ろうとしないから胸にそれを押し付けるとようやくそれを受け取った。

「え〜！俺には〜？」

不満の声を上げるデンジ。

「もう体はいいの？」

「おぉ！もうピンピンしてるぜ！」

やっぱり人間の匂いしかしない。
鼻が鈍ったんだろうか。
現場で嗅いだような匂いはもうしない。

腹だって破れていたはずなのに。
そういえば病院で何か食べてたな

「上がれ」

早川に促されて靴を脱いだ。
とりあえず荷物はデンジの部屋に置いておくことになり、今はリビングでテレビを見ている。

後ろにはキッチンがあり、そこで早川が何かを作っているようだったが今は電話の対応をしているようだった。

パワーはニャーコと自由に駆け回っているし、デンジは鼻をほじっている。

少し焦げる匂いがしてきてキッチンを見ると話に夢中になっているのか、こちらに背を向けて早川は気づいていないようだ。

キッチンへ向かうと鍋から煙が出ている。
火を弱めて菜箸で混ぜるとやっぱり底が焦げていた

早川の服の裾を引っ張っるとこちらに視線が向き、
鍋に指差しすると、ぎょっとした顔で火を止めた。

「はい、では失礼しますマキマさん…はい、おやすみなさい」

話し相手はマキマか。
先ほど座っていた位置に戻ると、嬉しそうな顔している早川を眺めたのだった。

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マキマからしっかりとした話が聞けたらしい。デンジの部屋の床に布団を敷いて寝るという事で俺の所在は決まった。

食卓にカレーが四つ用意されて、早川以外の三人は先に座る。

「野菜は嫌いじゃ！ポイ！」

パワーがいきなり人参を皿からはじき出し
デンジはそれを手の平で受け止める。
すごい反射神経だ。

「人参っ」

「野菜を投げるな！」

「テメ〜！！野菜作った農家に失礼って思わねえのかよ！！悪魔！」

まったくその通り。農家に謝った方がいい

俺はカレーの中で主張している肉をすく上げるとデンジの皿にこっそり入れるがすぐに気づかれた

「肉いらねえの？」

「肉、苦手」

「悪魔って偏食しかいねえのかよ」

ため息をつかれながらも俺は自分の皿から肉をはじくのだった。

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