005:ロミオスイートキー ページ5
『あ゛?』
藤ヶ谷が眉間に皺を寄せて
威嚇体制に入ったのが分かった
『ニカ…もういいから行こう?』
二階堂の服の袖口を摘んで軽く揺する
ニカは私を優しく見下ろすと笑顔で
『テスは帰ってていいから。またねテス。』
あくまでも紳士気取りみたいだ
『お前いい気になってんじゃねえぞ。お前には用はねえんだって、その後ろの千賀って女に用があるんだよ』藤ヶ谷が近寄って私の手を掴んだ
『痛いっっっ』
私は藤ヶ谷に捕まれた左手首を思いっきり引く
ニカが怒りで目を見開き、藤ヶ谷の胸を強くドツいた瞬間…スタッフが入ってきた
『何をしてらっしゃいますかお客様』
藤ヶ谷は私の手を離した
そして私達は黙り込む
藤ヶ谷がニカを睨みつけると私に視線を戻しチッと舌打ちをしてからすれ違いざまに
『アンタ……いつか刺されるから気をつけな。』
と耳元に甘く低い声で言い放つ
この香り………。
ロミオスウィートキー
もしかして………
まさかね………。
通り過ぎていく藤ヶ谷の後ろ姿を見つめながらニカが私に『大丈夫?』と聞くけど私は空返事で私は藤ヶ谷が消えて行くまで目が離せなかったーーーー。
・
・
・
3人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:北山堂 | 作成日時:2018年11月6日 23時