004:テス ページ4
『何とか言えよ…。
知りたいんだよ
アンタの本当の狙いは何なの?』
色気のある男が高揚する表情はアノ瞬間を思いださせるからドキドキする
藤ヶ谷も例外ではなく
私が手に入れたい男だ
もちろん玉森に関係する男だからだし
用が済めばお払い箱だけど
妙に色っぽいこの男
ミイラ取りがミイラになる可能だって有り得る
『藤ヶ谷さん………
でしたっけ?
貴方は私をどれだけご存知なのでしょう?』
出来るだけ丁寧に聞く
挑発はしない
本当を聞きたいだけだから
振りかえらずに鏡越しで
視線を合わせてみる
『……何にも?
俺には玉森だけがアンタの本命で、その他は玉森とアンタを繋ぐ紐としか見えない
その中にミツを引き込むのは止めてくんない?』
私の方向に歩いてくる藤ヶ谷
目を反らせない
何をしようというの?
するとトイレの入口で
聞き慣れたニカの声がした
『おいテスっ!!!
なにしてんの?
俺いまからオシッコするんだけど終わったら一緒帰ろうぜっ』
うわあ………
まさかのニカこと二階堂高嗣がやってきた
何で?何で?何で?
『ニカ………。
オシッコなんて言わないの』
私は止まってニカに振り返る藤ヶ谷の脇をすり抜けて
ニカの腕にしがみついた
『ニカ……助けて。』
小声で、か弱い女を演じる
私を笑顔でブス扱いする男ニカ
ブスを文字って『テス』というあだ名で私を呼ぶ
『お前………誰?』
ニカが藤ヶ谷に向かってメンチを斬った
私は『ニカもう行こう』と腕を引くが一向に動かないまま
目をギラつかせるニカ
『ニカ…ニカったらっ』
ヤバいなコレ
一触即発ニトログリセリン状態じゃない
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作者名:北山堂 | 作成日時:2018年11月6日 23時